25話○ 武器 ページ46
俺は、どうしても花彼に追いつきたかった。
皆に認めて貰いたかった。
だから沢山頑張った。
でも追いつけなかった。
その時に見つけた唯一の花彼のダメな所。
それは勉強だった。
勉強だけでも花彼に追いつきたかったから、、、勝ちたかったから、、、認めて貰いたかったから俺は荒れ狂ったように勉強をした。
中学1年の期末テスト、初めて花彼に勝った。
特に数学と英語は満点をとることができた。
これで俺も花彼みたいに褒めて貰える。
そう思った俺が馬鹿だった。
『見て見て!!俺っ、花彼に点数で勝ったんだよ!』
笑顔で自慢する俺に言ったおばさん達の一言は、
「そのくらい出来て当たり前でしょ?」
「それにしても、花彼ちゃんはやっぱり凄いなぁ!」
え、、、
何で……
『ありがとう!おばさんっ!!』
何で、俺よりも点数が低い花彼を褒めるの?
何で……
『何で……』
『んぇ?椿何か言った(。´・ω・)?』
『!、、、いやっ?何も言っとらんよ。』
『そっか!』
馬鹿な子ほど可愛いとは正にこの事か。
おばさん達は皆花彼を褒めた。
だからもう俺は諦めた。
でも、次の中間テストの時
『椿!!』
『Σ( ˙꒳˙ ;) どしたん姉貴。』
『勉強教えて!!』
『え?( °꒫° )』
『じゃ、け、えぇ!勉強教えてや((φ(>ω<*)』
『ええけど、、、どこが分からんの?』
『全部!w』
『えぇ…ww』
この時初めて「自分は花彼に必要とされている」と思った。
初めて頼って貰えた。
だから、勉強だけは負けたくなかった。
花彼は何か2つを成し遂げる事が苦手な事を知った。
だから、俺はバレーで花彼に追いつかなくてもいいから勉強とバレーを両立して行こうと思った。
おばさん達に褒められなくてもいい。
おばさん達にはもう褒めてくれるなんて期待はしない。
俺は、俺のやり方で、俺にしかない武器をもってやる。
花彼も誰も持っていない強い武器を。
そうすれば、自分が自分であれると思うから。
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イチゴ苺(プロフ) - 水雷様さん» そっか…分からんのんか… (2021年6月30日 17時) (レス) id: 6012745a6d (このIDを非表示/違反報告)
水雷様(プロフ) - 標準語について俺に聞くなや。 (2021年6月28日 21時) (レス) id: d668b57d1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カルミア /水雷様 x他3人 | 作成日時:2021年6月26日 10時