生き別れのバレー道【ハイキュー】【合作】 (ページ29)

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「ごめんなさっ…」

怖い。

小さい頃から大きな男の人が苦手だった。

お父さんが居ない時に、誘拐されそうになった事があったからだ。

大きいと言っても30cm以上自分より高い人で、自分から見上げる高さの人が苦手だ。

でも、全員って訳じゃなくて、笑顔だったり自分から見て好印象な人には別にそうは思わない。

唯一、怖くないのがバレーをしている時だった。

背が小さくても、大きくても技術があれば戦えるスポーツ。

有利じゃなくても良い。戦えるから。

背の高さなんて気にしなくていい。

「？？？」

どうしよう。ずっとこっち見てる。
そんな時、肩にポンと手を置かれる感覚がした。

「ごめんな影山…だっけ？うちのマネ、自分より背が高い人に迫られると昔色々あったらしくてさ、泣いちまうんだ。」

「あ、そうなんすか。…すみません、知らなかったんで。えっと、怖かったっすか？」

「う、うん…それで、どうかしたの？」

意外と優しい子なのかな…？
…なんかだんだん耳としっぽが見えてきた。犬かな？
何話すか考えてるのかな？

「あ、あの。さっきのレシーブ、スゲェ上手かったっす。」

「あ、ありがとう。あー…名前、私遊馬花彼って言うの。影山飛雄くんだっけ？よろしくね！」

手を伸ばすと「うっす」って両手で手を掴んでトビオくんは、色んな質問を投げかけてきた。
トビオくん、バレー好きなんだろうな。
分かるよ、その気持ち。
休憩時間中ずっと質問されてたけど、トビオくんが嬉しそうでつい話についていってた。
彼と話していて、椿を思い出したから。
正直に言うと、弟に会いたいと言いつつ、私は昔の顔しか分からない。
だから今椿がどんな見た目をしているのか、検討もつかない。
…諦めるつもりは無いんだけどね！！

「花彼サンは、セッターだったんですよね。弟とかいたんすか？」

「うん！双子だよ。可愛い顔してるの！」

そんな彼女らを見た音駒サイドでは、

「マネが猛獣手なずけてる。」

「リエーフといい花彼チャン、猛獣手懐ける職人かなんかなのかな。」

「まぁ俺たちのマネしてるし、普通なんじゃない？」

「天然タラシってやつ？」

逆に烏野サイドでは、

「影山がしっぽ振ってる！」

「音駒マネ凄いな！」

「スガさん以外にあんな人いるんすね！？」

「単細胞生物だからチョット会話してもらえるだけで嬉しいんでしょ。」

という会話があったとか。