5話 人の温もり ページ12
信介side
花彼がいくらたっても帰ってこぅへん。
いつもやったら『信くん!びっくりした?』って言うて後ろから抱き着いて来るのに。
花彼の部屋で帰って来るのを待って居ると
___『椿こんな姉ちゃんでごめんね…嫌っていいよ。』
と言う声が聴こえ、俺は急いで部屋を出て声のする方へ向かった。
外は雨が降っているがそんな事は気にせずマンションの裏へ向かった。
そこで俺は衝撃の光景を目にした。花彼が泣きながら“リスカ”をしていた。
そこから、思考より勝手に身体が動いて花彼の腕を掴んで刺すのを止め、
『何してんねん……』
と言った。
___________
花彼side
「何してんねん……」
『やめて……!!止めないで!うちは…』
ギュッ…
『え…?』
信くんにいきなり抱き締められた驚きと安堵で私は足から地面に崩れ落ちた。
「花彼、やめぇや!1人で抱え込むなや!自分を傷つけるな!何してんねん……ホンマに。俺が居るんやから、、1人でこんな事すんなや…」
信くんは私を後ろから抱きしめながら私の首に顔を埋めてそう言った。
私はその時久しぶりの人の温もりを感じた。
『ごめん、なさい…』
「もうせんでぇや…嫌やねん…花彼達が離れていくのは、、怖いねん…」
『信、くん…』
信くんは珍しく弱気な声を出しながら私に言った。
信くんは、泣いていたのかも知れない。
「もうせんでぇや…?」
『…うん。もうせん。ホンマにごめんなさい…』
「これからは…?」
信くんは私の目を見てそう聞いた。
『これからは…辛いこと、悲しいこと、信くんに話します。』
「うん。よぉできました。」
信くんはそう言って微笑んでくれた。
『…………』
ボンッと顔が熱くなって、初めて男の人を意識した気がした。
「ん?顔が赤いで?熱なんとちゃうか?」
『え、ち、違うよ!熱なんか出てないよ!』
「まぁ…この雨の中ずっと濡れとったんや。はよぉ部屋に入って身体拭き。そいで、安静にしときぃな。」
『う、うん。……信くん』
「ん?どした?」
『ありがとぉな…』
「…あぁ。ええで。もっとたよりぃよ。』
『うん』
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イチゴ苺(プロフ) - 水雷様さん» そっか…分からんのんか… (2021年6月30日 17時) (レス) id: 6012745a6d (このIDを非表示/違反報告)
水雷様(プロフ) - 標準語について俺に聞くなや。 (2021年6月28日 21時) (レス) id: d668b57d1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カルミア /水雷様 x他3人 | 作成日時:2021年6月26日 10時