君が大嫌いなはずだったのに｡【千切豹馬】 (ページ1)

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プロローグ : センパイ。ページ1

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センパイ。

私には中学の頃から好きだった先輩がいた。

でも…そのセンパイは、数年前に卒業した私の幼なじみのお姉ちゃんが好きで。

そのお姉ちゃんは、私のお兄ちゃんが好きで。

三角関係で。

でも、分かってた。

分かってた。…けど、私はセンパイが好きでした。

何度も願った。

もっと少しでも早く産まれてたら。

センパイと同じクラスになって、

センパイと机繋げたりしちゃって。

もっと…センパイといれたら。

そんなセンパイも3度目の卒業。

桜が舞って、涙が止まらなかった中学から高校生1年の間の淡い恋。

そんな恋も、無残に終わった。

センパイが卒業して、

2年になって。

豹馬はサッカーを辞めるために…と思ったら、また始めると手紙が一通。

無駄に綺麗な字で

“やっぱり、まだやってみることにした。”

とだけ。

君はなんでそんなに真っ直ぐに居られるんだろう。

自分はこんなにもまだ…センパイの事を引きずっているのに。

君のその勇気を、真っ直ぐ生きる力を分けて欲しい。

2年生は、ブルーロックに入寮してからずっと暇で。いつもの様にサッカーをしている君を眺めることも無くて。

何かと思ったらテレビに出てるし、サッカーをする姿は楽しそうで…活き活きしてた。

……やっぱり真っ直ぐだ。ずっと自分の真ん前を見て、突き進んでいる。

豹馬、私ね。