【HQ】お菓子な姫達を潰せ【悪女主】

▼ ページ4

「なんでそんな嘘つくのっ…！」

赤根の目にはどんどん涙が溜まっていく。

めんどくさい。どんだけ涙"脆い"んだ。




彼女は脆い。少しのことですぐに他へ助けを求める。

そんな彼女が築いた関係はクッキーのように簡単に砕けてしまう。

そして、欠点を全て隠してしまう程の圧倒的なルックスの良さ。


そんな彼女に騙される他人は多いだろう。




すぐに崩れてしまう、真っ赤な赤色のイチゴが乗った白く可愛らしいお菓子。




『まるでショートケーキみたいだね』

いきなり私が口にした言葉に彼女は怯える。

「っいきなり何…？！徹先輩っ……！」

そして及川先輩に抱き着くと、不安そうに揺れる目からは大粒の涙が零れ落ちた。

「Aちゃんだっけ…どういうこと？」

今まで私たちを傍観していた彼は、不思議そうに尋ねた。

私からすれば彼のことは別にどうでもいい。


『…ねえ赤根さん』

ニッコリと笑い、彼女を見る

『私とお菓子作りで勝負しよっか。』

「っえ？！…なんで？」

『だって、私にクッキーの作り方を教えてくれるんでしょ？じゃあお菓子作りが上手なんだよね』

さっきまで真っ赤だった彼女の顔は、どんどん青くなっていく。

『負ける訳…ないよね？』




これは傍から見れば出来レース。しかし彼女にとっては違う。


今まで必死で作った化けの皮が剥がれる、生死を賭けたデスレースだ。

▼→←▼

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す