企て ページ4
スペインside
……よぉ、元気にしてたか?
俺、スペインやで?
今な、とっても楽しいこと考えとんのや。
俺からAを奪った奴らをどうしてやろうかってな……
考えただけで頬が緩むわぁ。
まずはロマーノからなんやけどな、どうしたらええと思う?色々考えとんのやけど、迷ってしもうて決まらへんわ…;
………と、そうこうしてる間に見つけてもうたわ。
丁度後ろを向いてくれとんなぁ……
やっぱり、ロマーノはいつまでもツメが甘い。だからこんな風にすぐすくわれてしまうんやで?
…じゃ、短い間やったけどじゃあな。
そして右手に持っていた斧を構えて後ろからゆっくりと近づく。
いざ定位置について思いっきり振りかざすと―――
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ロ「……おい、いつまでその体制でいる気だ?」
西「……っ……?!」
いつの間にやら気付いていたロマーノのうしろには滑稽に顔を歪め勢いよく斧を振りかざそうとした体制で固まっているスペインがいた。
そのまま動けずにいたスペインに向き直り暫く俯いているロマーノをみてスペインは話しかける。
西「……何や、気付いとったんか。」
ロ「あぁ。」
西「なら逃げれば良かったのになぁ。……あ、どうせ怖くて逃げれんやったんやろ?」
ロ「………」
西「その反応、図星か?」
いきなり黙るロマーノに追い討ちをかけるよう話す。
ロ「……逃げれるわけ、ネェだろ…?」
ゆっくりと顔をあげたロマーノは笑顔で、どこか遠くを見つめたような顔をしていて、そして……
小さい頃のように頼りないように涙をこぼしていた。
西「…!?」
西「ロ、マーノ…?」
暫くして、拘束を解かれたように斧を構えた両手をおろす。そして斧をその場に捨てたかと思うと空いた両手を広げてロマーノに抱き着いた。
ロ「………フッ,この野郎。」
儚い笑みを浮かべ、その場に落ちた斧をどうにか手に取る。
片手で何とかそれを高く持ち上げ、もう片方の手で小さい子をあやすかのようにスペインの背をポンポン、と軽く叩く。
耳元でスペインが泣き止むのを確認すると斧を降り下げようとする。
西「……ええで。」
その言葉に一旦手を止めるが、再び手を動かす。
ロ「やっぱりお前は俺の親分だな」
満面の笑みを浮かべた二人を斧は静かに貫いた。
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美布田千絵(プロフ) - TARAKOさん» お久しぶりです!ちょっとした合間を縫った更新ですが…そう言っていただけて、嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります!! (2020年6月29日 17時) (レス) id: 56eaaeca6c (このIDを非表示/違反報告)
TARAKO - うっひょっ!久しぶりの更新嬉しいです!これからも更新頑張ってください!! (2020年6月28日 9時) (レス) id: db32771aed (このIDを非表示/違反報告)
美布田千絵(プロフ) - TARAKOさん» 大丈夫です!!わぁぁぁあ……そう言っていただき、ありがとうございます…!!!はい、頑張らせていただきますね!! (2020年4月18日 13時) (レス) id: 56eaaeca6c (このIDを非表示/違反報告)
TARAKO - こんな遅い時間にすみません、、、素敵な作品ですね!更新頑張ってください!!応援しています!! (2020年4月18日 0時) (レス) id: 75c31c63dd (このIDを非表示/違反報告)
美布田千絵(プロフ) - ええええええ?!ありがとう!?そしてありがとう!? (2020年3月5日 23時) (レス) id: 91d976edfd (このIDを非表示/違反報告)
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