安心してください！貴女だけにしか発動させませんから！！←

いない ページ44

スペインside

Ay!親分やで★

にしても変なナンパ法やなぁ……；
ロマーノも行ってしもうた……

……まぁ、その分いらん気遣いもせんでええし、ほっとこ！

どうせそのうち帰ってくるやろ。

と言うわけでAの部屋に行こかー！

少し軋む階段を上り、部屋の前に来る。

寝ている・もしくはボーッとしているのかえらく静かだ。

ｺﾝ,ｺ,ｺ,ｺﾝｺﾝｺﾝ！←

西「なぁ、なぁエルs………いや、A。入るでー？」←

今のは……ちょっとしたフェイクや★

ｶﾞﾁｬﾘ

西「Aー？」

入るとAは必死に手元の本を黙読していた。

少し待つと、気付いたのか声をかけてくれる。

『……あ、親分。いたんだね。気付かなかった；』

困ったような調子でいう。そんな姿も可愛ええなぁ〜♪

西「さっきからおったんよ？もー、いつ気付くか心配やったわー！」

『ごめんごめん；』

西「……それ、前ロマーノが貸してくれたって言うとったやつ？」

『うん。結構面白いから、何度でも見返したくなるんだ。……と言ってもまだ２回目だけどね。』

目を細めて再び本に視線を落とす。

本の題名には英語で“Death of night“と書かれている。

……夜の死……か。

西「二人とも、随分と物騒なもん読むなぁ；」

『そう？でも、これ題名に似合わずとっても面白い本だと思うよ。』

西「どんなやつー？」

『そうね……この本の主人公は怪盗で、その人には婚約者がいるの。それで、ある日怪盗はいつものように盗みを働くんだけども、しくじってしまって警察に見つかってしまう。なんとか逃げることはできたが色々な理由で婚約者が警察側についてしまう。それがきっかけでまだ誰も知らなかった怪盗の正体を知られてしまうの。』

西「へぇー、それで？」

『なんと風の便りか家族や親戚にまで正体がばれてしまい騒ぎになったの。それで、婚約を取り止められて一ヶ月後の早朝に別の人との結婚式が決まってしまった。』

西「……」

『別の人との結婚を取り止めさせなければいけないけど自分は今や追われる身。下手には動けない。そこで、怪盗は結婚式までの一ヶ月、作戦を練り続けた。……ついに結婚式前夜になってしまう。怪盗は一か八か表に飛び出し、婚約者のもとへ向かう。そこで衝撃の事実を知ってしまう。実は別の婚約者は怪盗の元婚約者を使って悪さを企んでいたの。そして、婚約者の元へ駆け付けたときには婚約者は無理矢理どこかへ連れ去られようとしていた。』

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