59話 ページ9
BC「じゃあ明日も早いし、寝ようか」
そう言って皆さんが自室に入って行ったのが3時間前。今は2時過ぎで、正直私は眠りにつけなかった。
理由は簡単で私が過去の話をしたからだ。私の両親の話は中々万人受けするような話でも無いし、進んでするような話でもない。
だからこそ、こんな話をして皆さんにマイナスな印象を持たれてないか不安で眠りなんかつけなかった。
気分転換がてらに一階にあるテラスに風に当たりに出てみる。ふわっ、と夜風が優しく頬を撫でてくれたおかげか少しだけ落ち着いた気がした。
「おー、不良少女め」
『わっ、...なんだミノオッパですか』
LK「何してたの?」
『ちょっと風に当たろうかと思って...』
『そっちこそ何してるんですか?明日早いんですよね?』
LK「ちょっと喉渇いて水飲みに来たらお前がいたの」
LK「何、眠れなかったの?」
『...まあ、そんな所です』
そう答えればふ〜ん、と興味なさげにキッチンの方へ行ったミノオッパ。
本来の目的の水を飲みに行ったんだと思って私は再び外に目を向けた。
LK「ほら」
『えっ?』
右から差し出されたのはホットミルク入りのマグカップ。突然の事で理解が追いつかず、受け取れずにいると苛ついた様子でもう一度差し出されたので今度は大人しく受け取った。
ミノオッパも手にマグカップを持っていて、多分私と同じホットミルク。それを持って隣に静かに座った。
『...もう戻ったのかと思ってました』
LK「可愛い妹残して戻る訳ないでしょー?」
『...大丈夫ですか?』
LK「ヤー、月が綺麗だなぁ」
猫みたいな顔でふざけた事を言うので、心配をしたら無視をされてしまった。不満に思いつつ、これ以上踏み込むのも面倒臭い気がして私も月を見つめた。
LK「...俺の両親は吸血鬼に殺されたんだ」
『え、』
突然の真実に思わず言葉が溢れてしまう。夜中だった事もあり、小さく呟いた言葉は静かに夜空へと消えていった。
LK「でも今はAみたいな吸血鬼がいるって分かったからもう恨んでない」
『...それなら良かったです』
同じ種族が犯した犯罪による罪悪感で心臓が騒ぎ始めたが、ミノオッパが思ったよりもすっきりとした様子をしていて、少しだけ緊張が解けた。
ミノオッパが何か重大な事を話した建前、私も何か言わないといけない気がした。
でも今ならなんでも言えそう
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いっぴぃ。(プロフ) - あんずさん» こちらこそ度々更新が止まっていたのにも関わらず最後まで応援して頂きありがとうございます!今のところafter storyは書けたら書こうかなと思っているので期待して待って頂ければな、と☺️ (2月23日 19時) (レス) @page27 id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 完結おめでとうございます!大好きな作品なので終わってしまうのが少し悲しいですがスランプになりながらもこんなに素敵な作品を完結して下さってありがとうございます!!after storyも見てみたいです✨️本当に完結おめでとうございます! (2月23日 18時) (レス) @page40 id: 0010bffdfc (このIDを非表示/違反報告)
いっぴぃ。(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますね! (12月24日 15時) (レス) id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
れな - とても面白い作品です!!これからも頑張って下さい!! (12月22日 21時) (レス) @page27 id: e984d5283c (このIDを非表示/違反報告)
いっぴぃ。(プロフ) - トケイチャンさん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです! (11月14日 22時) (レス) id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いっぴぃ。 | 作成日時:2023年11月3日 22時