86話 ページ36
『っ、』
猛烈な空腹感を感じて本能的に目が覚める
この感じ、あの時の吸血衝動と同じだ。血のこと以外考えられなくなるかんじ
FL「おはよう、A。目覚めはどう？」
『…、さいあくだけど』
FL「確かに姿勢大変そうだもんね」
そう言われて自分の体に目をやると、足の拘束はないものの壊した筈の左手の拘束は元通りになっていて振り出しに戻った事を意味してた。こんなの、絶望以外の言葉はない。
それよりも自分の吸血衝動を抑えるので必死だ。フィリックスから漂ってくる美味しそうな匂いに噛みつきたくなるがそんな事したら本当に"負け"だ。
FL「…ねえ、A」
FL「そんなに涎垂らしてどうしたの？」
『よだ、？……さいってい、』
FL「最低？吸血衝動を起こしてる吸血鬼にそんな事言う権利はないと思うけど」
優しく微笑みながら近づいてくるフィリックスに対して衝動が抑えられない自分と離れなきゃと落ち着かせる自分が2人存在した。
FL「お腹空いてるんだよね？」
『な、すいてない！』
FL「そんなに涎垂らしてる癖に」
FL「説得力ないよ？」
『ちが、』
FL「違う？じゃあ、ほら」
そう言って差し出されたフィリックスの腕。鍛えているお陰で血管が皮膚の上からも見えて、血がドクドクと流れてるのがよく分かる。私はそんな腕に釘付けになって、ごくりと溢れる涎を飲み込んだ。
真っ白な肌、健康的な彼の血はきっとさらさらしてて美味しいんだろう。この前飲んだ時なんかは、
FL「そんなに
FL「僕のことも見て？」
『っ、や、！』
フィリックスに話しかけられて血に夢中になっていた私は一瞬で正気に戻った。
駄目、こんな人達の血なんか吸っちゃ
こんなに血を求めてるのはきっとジョンインに飲まされた薬のせいだ。吸血衝動誘発剤なんて、飲まされたから
FL「やだ？Aが血を望んでるんでしょ？」
『ちがう、！それはジョンインが誘発剤なんかを飲ませてきたから！！』
FL「誘発剤…？」
『しってるん、だから！』
『だから血を望んでるのは私じゃない、』
FL「ふ、あはは」
『…なに？』
突然笑い始めたフィリックスに恐怖を感じて後ろは壁なのに後退りをしてしまう。
FL「Aに飲ませたの誘発剤じゃないよ」
FL「あれは吸血鬼の力を抑制する薬」
『、え』
FL「つまりAは自分から血を欲しがったんだよ」
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いっぴぃ。(プロフ) - あんずさん» こちらこそ度々更新が止まっていたのにも関わらず最後まで応援して頂きありがとうございます！今のところafter storyは書けたら書こうかなと思っているので期待して待って頂ければな、と☺️ (2月23日 19時) (
レス) @page27 id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 完結おめでとうございます！大好きな作品なので終わってしまうのが少し悲しいですがスランプになりながらもこんなに素敵な作品を完結して下さってありがとうございます！！after storyも見てみたいです✨️本当に完結おめでとうございます！ (2月23日 18時) (レス) @page40 id: 0010bffdfc (このIDを非表示/違反報告)
いっぴぃ。(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますね！ (12月24日 15時) (レス) id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
れな - とても面白い作品です！！これからも頑張って下さい!! (12月22日 21時) (レス) @page27 id: e984d5283c (このIDを非表示/違反報告)
いっぴぃ。(プロフ) - ﾄｹｲﾁｬﾝさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！ (11月14日 22時) (レス) id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いっぴぃ。 | 作成日時：2023年11月3日 22時
