84話 ページ34
この拘束達を外す難易度でいったら足が一番簡単だろう。足首に鎖が乱雑に纏わりついているだけだから弄ったらすぐに取れそうだ。
片方の足を伸ばして、もう片方の足で鎖を弄る。ガチャガチャと鎖同士がぶつかる嫌な音が部屋に響くがそんなのを気にしている場合では無い。
ガチャガチャと何度も何度も弄っていれば、
『っ、ぬけたっ』
同じようにまた片方の足も弄れば両足が自由になる。ただキツく縛られていたせいか赤く痕になっていた、が逃げる際にはそれ程問題にはならない。
問題は上半身の方。
直接壁に固定されてるから首元は最後として、手首をどうするかが大事になってくる。捻ったり縮こませたりするが効果は無し。怪我をするのは覚悟の上で力任せに下へと引っ張る
『っ、いっ、』
手が小さかったお陰か皮が捲れながらも親指の付け根までは手枷を通ったが、そこからが問題だった。関節が引っかかって抜けない。抜こうとこれ以上引っ張ったら関節は外れ、自分では治せない怪我になるのは明確だ。
でも足の拘束は取れてるし、ここで諦めて次の人に拘束を外してるのがバレた方が怖い。
そこで私はある一つの考えが脳内を過った。吸血鬼は自分の血を操れる、それは高貴な血を持った人だけ。例えば私のお父さん。そこから血が繋がっている私にも使えるんじゃ無いかって、
どう操るかなんて、コツなんて、知らない。でも今試さなきゃ私はここから出られなくなってしまうかもしれない。
親指の付け根から出ている少量の血に意識を集める。
動け、動け、何度も頭の中で叫んで集中力を高める為に目も瞑り、叫ぶ。しかしそうしてても傷口が熱く感じるだけで、駄目だったかと諦めて目を開けると血が空中に浮いていた。驚きもあったが、それよりかは逃げれる喜びの方が大きかった。
少量の血が浮いている事から血が少ないと思い、枷で傷口を抉り流血の量を増やした。すると思った通り操れる血の量も増えてそのまま枷が壊れるハンマーのようなものを想像する。どこまで運がいいのか、想像した通りのハンマーができてそれを手枷へと振り下ろせば易々と壊れた。
『やった、！』
左手が自由になった喜びが口から溢れてしまう。この調子で右手も自由にしようとハンマーを振り翳せば
「何してんの」
『、ぁ』
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いっぴぃ。(プロフ) - あんずさん» こちらこそ度々更新が止まっていたのにも関わらず最後まで応援して頂きありがとうございます！今のところafter storyは書けたら書こうかなと思っているので期待して待って頂ければな、と☺️ (2月23日 19時) (
レス) @page27 id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 完結おめでとうございます！大好きな作品なので終わってしまうのが少し悲しいですがスランプになりながらもこんなに素敵な作品を完結して下さってありがとうございます！！after storyも見てみたいです✨️本当に完結おめでとうございます！ (2月23日 18時) (レス) @page40 id: 0010bffdfc (このIDを非表示/違反報告)
いっぴぃ。(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますね！ (12月24日 15時) (レス) id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
れな - とても面白い作品です！！これからも頑張って下さい!! (12月22日 21時) (レス) @page27 id: e984d5283c (このIDを非表示/違反報告)
いっぴぃ。(プロフ) - ﾄｹｲﾁｬﾝさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！ (11月14日 22時) (レス) id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いっぴぃ。 | 作成日時：2023年11月3日 22時
