74話 ページ24
2階の窓から怪我をしない為も様に、羽を出してゆっくりと降りる。羽といっても今まであまり使って来なかったから飛べるのはほんの数分だけで役には立たない。
夜中だからか人影が１つもせず、なんとなく私は安心を覚えた。
私が目指す方向は首都の方だ。あっちまで行けば仕事は見つかるし、宿だって見つかる。まだ無計画な私にはピッタリな場所。それに目には目を歯には歯を人には人を、だ。人混みに行けばそれだけ紛れられる。
でもその前にお母さんに手紙を届けようと病院へと向かった。
こんな夜だし面会も入る事すら出来ないと分かっているから羽を使ってお母さんが寝ている病室の階まで上がる。幸運な事に鍵が開いていたので音を立てないように開けて、枕元に置いて静かに去った。
これでこの街に思い残した事は無くなった。次に進む為に首都の方に行こうと地図を見ながら歩く。
『ここは、右…』
空を飛んだ方が速いけど、そうすると見つかりやすくなる。だったら見つかりにくい、かつ安全な足の方がいい。
そう言ってもスピードは遅いし、車では30分程だけど歩きではその5倍以上はかかる。疲れるだろうけどあの人達から離れられるなら必要な出費だ。
これからの旅に不安を募らせながら複雑な建物達の間を歩く。まだ歩いて10分ほどだけどもう足が少し痛い。最近は外に出る事も少なくて、出たとしても数分の散歩だけだったから脚力が弱まったんだ。
少しだけ休もうと壁に背中を預ける。体力も衰いてるし首都に着くのは何時くらいになるんだろう。
ため息を吐いたのと同時にドクンっと心臓が勢いよく跳ねた。
『なに、これ』
心臓がバクバクと飛び出しそうな程痛い。痛みに耐えきれず胸を抑えながら壁に伝う形で崩れる。
おかしい、おかしい
こんなに痛くなる事なんてなかったのに
目の前がぐるぐるしてて気持ち悪い
息もおかしい。呼吸が不規則で酸素が足りない。
それにこんなに__、違うそんな訳ない。最近はちゃんと貰ってたし昨日だって貰った。なのに、
なんで私はこんなに血を求めてるの__？
『っ、やぁあ"、ぅ"』
落ち着け落ち着け
私なら吸血衝動は抑えられる。大丈夫、大丈夫だから
こんな所で倒れてたらあの人達に見つかっちゃう。早く、早く落ち着かせて歩かなきゃ
「あの、大丈夫ですか？」
『あ"、？』
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いっぴぃ。(プロフ) - あんずさん» こちらこそ度々更新が止まっていたのにも関わらず最後まで応援して頂きありがとうございます！今のところafter storyは書けたら書こうかなと思っているので期待して待って頂ければな、と☺️ (2月23日 19時) (
レス) @page27 id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 完結おめでとうございます！大好きな作品なので終わってしまうのが少し悲しいですがスランプになりながらもこんなに素敵な作品を完結して下さってありがとうございます！！after storyも見てみたいです✨️本当に完結おめでとうございます！ (2月23日 18時) (レス) @page40 id: 0010bffdfc (このIDを非表示/違反報告)
いっぴぃ。(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますね！ (12月24日 15時) (レス) id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
れな - とても面白い作品です！！これからも頑張って下さい!! (12月22日 21時) (レス) @page27 id: e984d5283c (このIDを非表示/違反報告)
いっぴぃ。(プロフ) - ﾄｹｲﾁｬﾝさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！ (11月14日 22時) (レス) id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いっぴぃ。 | 作成日時：2023年11月3日 22時
