72話 ページ22
「は、?」
誰が発したか分からない声に思わず肩が震えてしまう。空気が一気に重くなって緊張感が走る、私そんな変な事言った?
『お、お父さんも捕まって、お母さんも自由になって』
『それで私も自由に生きたいなって思ってて』
FL「自由にって何」
『え、ぁ、旅とか?』
SM「それならここにいても出来るじゃん」
IN「そうだよ、皆んなでたまに旅行とか行けば」
『そ、そうじゃなくて!』
『私はもっと外の世界が見てみたいんです!旅行じゃなくて、そこに住んでみたり…』
BC「それなら俺達全員で北の方とかに住んでみる?ここに住むのは皆んなだって飽きたでしょ?」
『ぇ、それはちょっと違う気が…』
『私は"1人"で大丈夫なんです。私の人生に皆さんまで巻き込む気はないですから』
SM「なんでそんな簡単に僕達を捨てようとするの??」
『す、捨てるなんて、!』
話が通じない皆さんに言葉が思い付かず、止まってしまう。何もおかしい事は言ってないのに私が悪いみたいな空気を感じて、意志が揺らぎそうになるけどミノオッパから貰った水を半分程飲んで一旦落ち着く。
CB「1人でって、Aみたいな弱い吸血鬼が外に出ても襲われるだけだぞ?」
『前に比べたら落ち着いてるので平気ですよ…』
HN「それに今出てかないと駄目なの?もっと準備して1年後とかに行けばいいじゃん」
『それだと、遅いんです』
病室から出た後、ずっと出ていく事を考えてた。本当はジソンイオッパの言う通り1年後とかにしようかと思ってたけど、それだと私が離れるのは淋しくなりそうだから未練をなくす為に直ぐにした。
だけど、皆さんの反応を見てそんな感情は何処かに消えてしまった。
こんなに止められるなんて思っても無かったし、応援してくれる人なんて1人もいなかった。
それにこの雰囲気、まるで____
HJ「取り敢えずもう一回考えてみなよ。まあ、俺達は認めないけど」
『…なんで』
LK「そう思うなら止めなよ」
『誰も、応援してくれないんですか?』
FL「応援とかじゃなくて、Aの事を思って言ってるんだよ?」
『そんなの、私は頼んでないです…!』
『確かにここにはお世話になったし、直ぐに出てくなんて悪いと思いますけど…』
HJ「じゃあ出てくなんて言わないでよ」
『っ、もう良いです』
何を言っても意味がない事を悟って、後ろから聞こえてくる声を無視して自室へと向かった。
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いっぴぃ。(プロフ) - あんずさん» こちらこそ度々更新が止まっていたのにも関わらず最後まで応援して頂きありがとうございます!今のところafter storyは書けたら書こうかなと思っているので期待して待って頂ければな、と☺️ (2月23日 19時) (レス) @page27 id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 完結おめでとうございます!大好きな作品なので終わってしまうのが少し悲しいですがスランプになりながらもこんなに素敵な作品を完結して下さってありがとうございます!!after storyも見てみたいです✨️本当に完結おめでとうございます! (2月23日 18時) (レス) @page40 id: 0010bffdfc (このIDを非表示/違反報告)
いっぴぃ。(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますね! (12月24日 15時) (レス) id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
れな - とても面白い作品です!!これからも頑張って下さい!! (12月22日 21時) (レス) @page27 id: e984d5283c (このIDを非表示/違反報告)
いっぴぃ。(プロフ) - トケイチャンさん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです! (11月14日 22時) (レス) id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いっぴぃ。 | 作成日時:2023年11月3日 22時