64話 ページ14
突然後ろから現れた人物に驚きながらも振り向けば、昔よりも髪が伸びたお父さんが壁に寄りかかりながら立っていた。
それよりも先ほどお父さんから聞かされた"ある約束"の方が衝撃が大きすぎて頭が痛くなってくる。
『それ、本気で言ってるの?』
「嗚呼、勿論だ」
「それぐらいして貰わないとお前みたいな道具を探そうとも思わないからな」
「ドンソク!Aの前でそんな事!」
「俺よりも
「っ、それは」
『...醜い嫉妬』
『もっと普通に愛せないの?』
「は?」
『だから気持ち悪いって言ってるの』
「ジヒョンに対する俺の愛を否定するな」
「愛もよく分かっていない餓鬼が」
お父さんが現れてからずっと細かく震えているお母さんに胸が締め付けられる。これをずっと、私が生まれる前も後も、再び捕まった後も味わってたなんて
「俺はジヒョンを見つける為に、一度出て行ったこの組に再び戻ってボスになったんだ。俺の覚悟が分からない餓鬼が簡単に喋るなよ」
「本当はお前なんて要らなかったんだ。でもジヒョンが産みたいと言ったから、産ませてやったんだ」
「ごめん、ごめんねA」
「嗚呼、ジヒョン。あんな餓鬼の名前をお前の可愛らしい声で呼ばなくて良いんだぞ。お前は俺だけを呼んでおけば良い」
『お母さんが何で泣いてるかも分からないの?』
『そんなんだから、』
「いい、いいのA!」
「本当にごめんなさい、急にこんな所に連れ去ってしまって」
『...お母さん』
「私、Aの事を愛してたわ」
お父さんに支えられながら立ち上がるお母さん。その表情は何処か決心したようにスッキリして見える。
私の心臓は焦りか、心配かで脈が激しくなって冷や汗も止まらない。
『やめてよ、そんな最後みたいな』
「そう、"最期"だからよ」
「さあ、ジヒョン。俺達だけで終わらそう」
「えぇ」
『待って!!本当に、お父さんと"心中"する気なの?!』
「それが約束だもの、今までごめんなさいね」
「Aは自由に生きて」
お父さんが言っていた約束は"一緒に心中する事"
諦めた表情をするお母さんを慌てて追いかけるけど、手を縛られてて上手く走れない。そのせいで唯一の出口を鍵で閉められてしまった。それに先程からずっと上がうるさくて建物内が徐々にだけど崩れている感じがする。
いやだ、やっとお母さんの本音を知れたのにもうお別れなんて
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いっぴぃ。(プロフ) - あんずさん» こちらこそ度々更新が止まっていたのにも関わらず最後まで応援して頂きありがとうございます!今のところafter storyは書けたら書こうかなと思っているので期待して待って頂ければな、と☺️ (2月23日 19時) (レス) @page27 id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 完結おめでとうございます!大好きな作品なので終わってしまうのが少し悲しいですがスランプになりながらもこんなに素敵な作品を完結して下さってありがとうございます!!after storyも見てみたいです✨️本当に完結おめでとうございます! (2月23日 18時) (レス) @page40 id: 0010bffdfc (このIDを非表示/違反報告)
いっぴぃ。(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますね! (12月24日 15時) (レス) id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
れな - とても面白い作品です!!これからも頑張って下さい!! (12月22日 21時) (レス) @page27 id: e984d5283c (このIDを非表示/違反報告)
いっぴぃ。(プロフ) - トケイチャンさん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです! (11月14日 22時) (レス) id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いっぴぃ。 | 作成日時:2023年11月3日 22時