63話 ページ13
『___ん、？』
お腹に鈍い痛みを感じて目を開けば、目の前には冷たいコンクリートがあり手は縛られていて身動きが取れない。
「...A、起きたの？」
後ろから聞こえて来た懐かしい声に思わず声が溢れた。痛みを感じながら体を起こして振り返れば目の前には私の記憶の中にいた人より窶れているお母さんが座っていた。
『なん、で』
「ごめんなさい、手荒な真似はしないでって頼んだのに...」
『...今更何なの』
ここに来るまでの出来事が一気に脳内に映像として蘇った。私をここに連れ去るようにしたのは、お母さんだ。私の事を道具としてみていたお母さん。
私を一度捨てたんだから死ぬまで一生関わらないで欲しかった。チャニオッパ達には会いたい、とは言ったけど自分から会いに行くのと相手から会いに来るのは別だ。
「そんなに怒らないで。私はただ、一言貴方に謝ろうと思ったの」
『謝る？何に対して？』
『私を置いて行った事？私を道具としてみてた事？それとも__』
「っ全部よ！！本当に悪かったと思ってるの...」
「お願い、私の話聞いてくれる？」
得意な泣き落としを使ってくる目の前の女。それはお父さんにだけ有効なのに、私に使ったって意味ないのに。
それでもその光景に心の隅にあった良心は無視できなくて、黙って聴く事にしてしまった。
「あの日、あそこから逃げた時、本当はAも連れて行こうとしてたのよ。でも、Aを連れて行ったらあの人から死ぬまで逃げる不自由な生活をせざるを得なかったの」
「小さい頃からずっと狭い所で生きていた貴方を、自由にさせたかったの。勿論、貴方が10歳で小さかったのは知ってた。でも貴方は賢い子だったから、私がいなくても生きていけると思って置いていったの。それが、1番の解決策だと思ったから」
『...言い訳にしか聞こえないよ』
「...キツく言ったのは、貴方が付いて来そうだったから。いくら賢いAでもまだまだ甘えん坊さんだったもの」
何処か懐かしそうに、哀しそうに目を逸らしたお母さんに胸が痛みつけられた。
もし、お母さんが言っている事が真実だとしたら私は道具としてじゃなくてちゃんと人として、娘として愛されてたって事になる。今までずっと道具だと思われてたと思ってたから、そんな事どうやって受け入れれば良いのか分からない。
「でも結局あの人に捕まってまた閉じ込められたわ。それでどうせならAに謝りたいなって思って"ある約束"をして探して貰ってたの」
『...ある約束？』
「そう、それは」
「俺と___する事だよな」
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いっぴぃ。(プロフ) - あんずさん» こちらこそ度々更新が止まっていたのにも関わらず最後まで応援して頂きありがとうございます！今のところafter storyは書けたら書こうかなと思っているので期待して待って頂ければな、と☺️ (2月23日 19時) (
レス) @page27 id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 完結おめでとうございます！大好きな作品なので終わってしまうのが少し悲しいですがスランプになりながらもこんなに素敵な作品を完結して下さってありがとうございます！！after storyも見てみたいです✨️本当に完結おめでとうございます！ (2月23日 18時) (レス) @page40 id: 0010bffdfc (このIDを非表示/違反報告)
いっぴぃ。(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますね！ (12月24日 15時) (レス) id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
れな - とても面白い作品です！！これからも頑張って下さい!! (12月22日 21時) (レス) @page27 id: e984d5283c (このIDを非表示/違反報告)
いっぴぃ。(プロフ) - ﾄｹｲﾁｬﾝさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！ (11月14日 22時) (レス) id: 4cb6ac74d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いっぴぃ。 | 作成日時：2023年11月3日 22時
