大人の貴方のお話 ページ18
茜ちゃんを寝かしつけ、下に降りる。
リビングでは、ガッチさんと奥さんのトラさんが待ってくれていた。
ガッチマン「ありがとう遥香。」
『いえ、こちらこそありがとうございます。』
「さあて、遥香ちゃんのお話を聞きましょうか。」
私は戸惑った。
あの時、いつもみたいに私が我慢してれば。
口が重く、動かない。
それを見たガッチさんは私の手を優しく握ってくれた。
ガッチマン「大丈夫、俺らは遥香の味方だよ。だから落ち着いて話して。」
「そうよ。私たちは絶対に遥香ちゃんを責めないわ。」
その言葉に、心が楽になった。
小さく、思っていたことを口に出す。
『…彼は、私が異性と会うの、嫌がったの。だからイベント以外で夜外出しなかったし、ガッチさんたちと飲みに行くこともなかったんです。ボディタッチも嫌がったので少し離れたり…色々気を使ってました。』
「ちょっと束縛気味だったのね。」
『でも、彼は私の妹とずっと近くにいて…それで私、怒っちゃって…』
ガッチマン「ずっとって、どのくらい？」
『…1年前くらいから。』
2人は目を大きく見開いた。
そしてトラさんが私を強く抱きしめた。
「我慢しすぎよ！よく今日まで耐えたわね、辛かったでしょう？あぁ！その彼氏、1回殴らないと気が済まない！」
『でも、Fischer'sのメンバーですし』
ガッチマン「あのね遥香、付き合う上で相手を不安にさせるのはしてはいけないことなんだよ。それが短期間ならまだしも…」
「1年は長すぎる！中学からって話は聞いてたから安心がでたのかしらとは思ったけれど。…ねぇ遥香ちゃん、本当にその人のこと好き？」
『…はい。』
マサイの顔が、常に思い浮かぶから。
どうしても思い出しちゃう。
それに、こうして喧嘩しても心配しちゃうって、そういうことでしょう？
私は深く頷いた。
「…わかった。でも、ちょっと話し合いは必要ね。メンバーさんも含めて。同棲して、遥香ちゃんも家賃出して仕事場にしてるんだから。そこはわきまえないと。」
『ありがとうございます、ちょっと楽になりました。』
「いいのよ。夫の大事な仕事仲間で茜のお姉ちゃんだもの。私、遥香ちゃんの実況好きよ。優しい声だもの。」
そう頭を撫でてくれた。
いつぶりだろう、触れてもらったのは。
マサイからいつの間にかされなくなったし。
するのはいつも私からだった。
時計のチクタクと言う音が響く。
私は溢れ出る涙を抑えず声を上げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユウリ(プロフ) - 熊坂@サブさん» 頑張ってください！！応援しております！！続編でたらすぐお気に入り登録させていただきます！！ (2020年9月8日 19時) (
レス) id: 4c2f02cb4e (このIDを非表示/違反報告)
熊坂@サブ(プロフ) - カフェモッカさん» 本当にありがとうございます！ご期待に添えるよう頑張ります！ (2020年9月8日 16時) (レス) id: b3d4a9f8b7 (このIDを非表示/違反報告)
熊坂@サブ(プロフ) - ユウリさん» ありがとうございます！近いうちに続編として1作づつ出させていただきますね！ (2020年9月8日 16時) (レス) id: b3d4a9f8b7 (このIDを非表示/違反報告)
カフェモッカ - 熊坂@サブさん» ビタチョコは嘘の自分を偽るけどモトキに勘づかれちゃって『偽善者』って言われたとかなんとか的なやつで偽物勇者は差別的なやつで苦しんでいた夢主ちゃんをシルクが助けるっっていう感じ……長文失礼しましたァァ!! (2020年9月7日 21時) (レス) id: 4ebf1d1c66 (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - 熊坂@サブさん» そうですね……シャルルはぺけたん、アルカリレットウセイはシルク、アイ情劣等生はモトキでどうでしょうか！ (2020年9月7日 21時) (レス) id: 4c2f02cb4e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：熊坂 | 作成日時：2020年8月25日 17時
