夜に駆ける【Fischer's】

大人のシルクのお話 ページ16

俺のせいだ。
俺があそこで口を挟まなければ。
ぺけはマサイと話すためにあの場に残って、他は俺の部屋に来た。
水を飲んだけど、心はなにも落ち着かない。


ンダホ「…初めて見た。あそこまで声を荒らげた遥香。」

ボソッとダホが呟く。
双子ながら対象的。
例えるなら明日香が太陽で遥香が月という感じだった。
それにはマサイも同意してて

マサイ「遥香は儚い感じ…なんだろう、美しいっていうのが1番合うと思うんだ。」

接し方もそうだと思う。
明日香はかなりフレンドリーに行くが、遥香は物静かだ。
ただ、優しいのはわかる。
まふまふさんとコラボをした時だって、すごく遥香を褒めてたし。
まふまふさんと俺らを繋いでくれたのは遥香だ。
マサイが嫉妬してて、夜遅くに会うなって釘さしてた記憶がある。
それに遥香のことが苦手だと言っていたぺけがあっという間に仲良くなってたし。
昔の話を掘り返すようだが、モトキと付き合ってたって言われると納得する。
2人はすごく似てると思うから。
遥香とは長く続いたけど、明日香とはそこまで続かなかった。
やっぱり、そういうことなんだろう。

明日香「…本当に、もう。」

明日香は先程から不機嫌だ。
リーダーとして、注意しなければいけないと俺は思ってる。
前から多少はスキンシップについて注意はしてきた。
マサイと遥香は付き合ってることを公開してる。
だからセカンダリでも2人が近いところを何回か動画にしてた。
その中で実は明日香のボディタッチに関する批判するが多かった。
遥香さんが可哀想とか、明日香ちょっと考えて、とか。
それでもあまり強く言わなかったのは遥香も分かってると思っていたから。
でもこうなったからには強く言わなければ。
本当、遥香に今から土下座して謝りたいくらいだ。
俺がちゃんと注意しとけば。
遥香にだって活動があり、傷だって受けるだろう。
それを本来癒すのはマサイ。
でも、俺らメンバーがその機会を奪ったりしてたんだから。

シルク「…明日香、ちょっと俺の目の前に座ってくれ。」

明日香「なに。」

不機嫌そうにこっちを向く。
…コイツ、こんなに酷かったっけ。
ここまで来て、この決断は本当に悔しい。
するべきでは無いかもしれない。
でも

シルク「お前には、YouTuberとしてのFischer'sを辞めてもらうかもしれない。」

モトキの過去を蒸し返したり、姉の恋人を奪おうとするやつは、ダメだ。
他のメンバーは何も言わない。
俺が言うのを察していたように。

双子の妹のお話→←友人の娘のお話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す