焦り ページ7
「焦凍！ 何故この程度のことができない‼」
「Aを見ろ！ 難なくこなしていることだぞ！」
あまりにもしつこく叱責するものだから、見ていられず、エンデヴァーの気を逸らそうとする。
『炎司さん、ここの呼吸はどうしますか』
私がそう呼びかけると、
ゆっくりとこちらを見て、何も言わずまた焦凍の方を向いてしまった。
エンデヴァーの本命は焦凍だ。
私は一応の保険。
どちらを優先するかは明白である。
仕方なくまた訓練を再開する。
私は訓練に慣れているが、焦凍は違う。
焦凍は普通の5歳児だ、前世の記憶もなく優しい母と兄妹を持っている。
ただ、強い個性と、最悪な父を持って産まれただけ。
(私に出来ることは何でもしよう。)
ほんの少しでも焦凍の負担が減るなら、迷わずやろう。
所詮、子供の体で出来ることなんて限られているが。
『焦凍』
「A…」
訓練が終わり、空が赤色に染まり始めた頃。
左足を庇いながら歩く焦凍に、
赤いばつ印が書かれた箱を持った私が言った。
『足、怪我してるんでしょう 手当てするからおいで』
なるべく優しい声を出す。
それもあってか、焦凍は素直に頷いてくれた。
『青くなってる、これ相当痛いでしょう』
医療の心得はあまりないが、応急処置ぐらいは出来る。これでも、一応はヒーロー志望だ。
「A…、どうしてぼくらだけ、こんなことしなくちゃいけないの？
たくさんケガして、たくさん泣いて…」
『……。』
「ボクは、母さん達と笑って暮らしたいだけなのに……Aだってそうだろ」
泣きながら言われ、何と声をかけてやれば良いか分からない。
『でも私にとっては、悪いことばかりじゃなかった。焦凍に会えたから』
焦凍の大きな瞳に涙が溜まる。
「でも…ボクはAより、弱くて…何もできない」
ぽろぽろと大粒の涙が溢れる。
溜め込んでいた言葉が、一気に吐き出される。
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q2n3qbzuWwYqZsD(プロフ) - 主人公の性格，求めてたものに限りなく近い (2022年8月21日 4時) (
レス) @page20 id: c07b904298 (このIDを非表示/違反報告)
あの - それな!!!!オールマイトいい人だなぁと思いました(^∇^) (2021年9月16日 6時) (レス) id: ed7f91fcee (このIDを非表示/違反報告)
ガムテープ(主食)(プロフ) - こんなに良い作品なのに何故かお気に入り登録者が1000いってない事に納得がいかないなぁ (2021年8月22日 20時) (レス) id: 7acb83f600 (このIDを非表示/違反報告)
ふろーらるのかおりをめざす。 - エルスさんに激しく同意(真顔) (2021年8月1日 11時) (レス) id: e25b0a7159 (このIDを非表示/違反報告)
エルス(プロフ) - 許婚と主人公ちゃんの性格設定が好き。本当に好きです！！！初めからこのストーリーがすごく気になった！超好みです！こんな素敵な小説を書いてありがとうございます！応援してます！頑張ってください！！ (2021年7月14日 3時) (レス) id: ac1370201a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卵投げ合戦 | 作成日時：2021年5月22日 22時
