母 ページ12
《私が来た‼》
テレビから聞き慣れた声が流れる。
ヒーロー好きなら、いやヒーロー好きでなくとも、誰もが一度は聞いたことがあるだろう。
オールマイト。
No.1ヒーローとして、老若男女問わず親しまれている。
エンデヴァーはこのオールマイトに勝つために、私と焦凍を育てている。
私から見れば、オールマイトがいるおかげでこんな目にあっていると思うと、正直心から応援できない。
だが、焦凍にはそんな気持ちは微塵もないようだ。
いつも以上にキラキラ目を輝かせている。
「焦凍は本当にオールマイトが好きね」
轟冷。
本当に不憫でならない。
日に日にやつれていく姿を見て、自分の母と重ねてしまう。
私は気づいている。
焦凍を見る目が時々、エンデヴァーを見る目と同じだということを。
しかし、私が首を突っ込むべき問題ではない。
自分の息子が、見ず知らずの者と政略結婚だなんて、恨まれていても仕方がない。
助けようとする行為は、火に油を注ぐようなものだろう。
だから私は知らないふりをする。
『焦凍……？』
布団からいつもの温もりが消えている。
トイレだろうか。
珍しい、いつもなら必ずついて来させるのに。
何かあったのかと思い、耳を澄ます。
《おかあさん………もう…メ………供たちがあの人に見えてくる……》
途切れ途切れだったが、たしかに聞こえた。
母の本音。
《焦凍の…あの子の左側が》
とても醜く思えてしまうの
まて、
たしか焦凍はそっちに…
「お、お母さん？」
頭が真っ白になり、血液が逆流するかのような錯覚がした。
もう、時間を止めるという発想すら出ない。
障子を押し倒し、体を投げ出すように部屋から出る。
足に何か刺さるが、構わず走る。
『焦凍！！！！！！』
そこには酷く動揺し、熱湯が入ったやかんに手を伸ばす冷さんがいた。
個性を使っていないのに、時間が止まったような気がした。
怯える焦凍の前に身を乗り出す。
何か液体がかかる感覚がした。
「ッッ」
頭上から、声にならない悲鳴が聞こえた。
焦凍は何が起きたかわからないというような顔で、私の名前を連呼している。
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q2n3qbzuWwYqZsD(プロフ) - 主人公の性格，求めてたものに限りなく近い (2022年8月21日 4時) (
レス) @page20 id: c07b904298 (このIDを非表示/違反報告)
あの - それな!!!!オールマイトいい人だなぁと思いました(^∇^) (2021年9月16日 6時) (レス) id: ed7f91fcee (このIDを非表示/違反報告)
ガムテープ(主食)(プロフ) - こんなに良い作品なのに何故かお気に入り登録者が1000いってない事に納得がいかないなぁ (2021年8月22日 20時) (レス) id: 7acb83f600 (このIDを非表示/違反報告)
ふろーらるのかおりをめざす。 - エルスさんに激しく同意(真顔) (2021年8月1日 11時) (レス) id: e25b0a7159 (このIDを非表示/違反報告)
エルス(プロフ) - 許婚と主人公ちゃんの性格設定が好き。本当に好きです！！！初めからこのストーリーがすごく気になった！超好みです！こんな素敵な小説を書いてありがとうございます！応援してます！頑張ってください！！ (2021年7月14日 3時) (レス) id: ac1370201a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卵投げ合戦 | 作成日時：2021年5月22日 22時
