そして、俺は“二人の恋心”を知っていた。 ページ4
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部活に向かう途中、前に背の高い、猫背で黒髪癖毛の男子生徒がみえる。
あれは、角名か。
「角名！」
どうせ向かう場所は同じだから声をかける。
突然呼ばれたことに驚いたんか、肩をぴくりとさせる。
「、北さん。」
ゆっくりと振り向いた角名の口から出るのは弱々しい声。
顔も酷い。
「顔、酷いで。どないしたん。」
ここで何も聞かないわけにもいかへんから理由を聞く。
でも、角名が答えたくないのなら答えなくてもいいようにクエスチョンマークをつけないようにする。
そして、何かがあったことは分かるからな。
という意味を込めてそう言う。
「なんでも、ないです。」
あぁ、無理してるな。
でも踏み込んで欲しくないのなら俺は踏み込まない。
だって、理由は知っるから。
恐らくAのことだ。
多分、角名はAが好きなんや。
Aも、角名のことが好きやろな。
Aとは幼なじみやから分かる。
角名も見てたら分かる。
両片想い、か。
「、そうか。部活には引っ張んなよ。」
精一杯の気遣いと慰め。
俺にはこれしかできへん。
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．
熱気で溢れかえる第二体育館。
試合形式の練習。
そこで、小さな衝突が起こった。
角名がスパイクを空ぶった。
いつもよりも跳べていなかった。
だから言ったやろ。
部活には引っ張んなって。
「角名！お前ええ加減に「やっぱり体調悪かったんか、角名。」、は？」
怒りを爆発させようとした侑の言葉に被せる。
喧嘩にはさせへんで。
角名の顔を見ると理解していないような表情をしている。
そらそうやろな。
だってお前は体調不良やないから。
「帰って
ほんで、ちゃんと切り替えてこい。
「なんや体調不良かいな！」
多分、侑も気付いてる。
体調不良やないってことを。
でも俺が庇ったからそれ以上踏み込まんようにしたんやろ。
短気な侑も、やっぱりセッターやからよう見てんねん。
「は、い．．．。」
掠れた声で返事してから部室に向かう角名を見送る。
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なぁ、角名。
俺も好きやねんで。
Aのこと。
お前があいつを好きになるずっと前から。
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そして、誰も“俺の恋心”に気づかない
そして、誰も“私の恋心”を知らない。→←そして、誰も“俺の恋心”を知らない。
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みや(プロフ) - ありがとうございます！北さんは背中を押す役が結構多いので、どこかで必ず報われる作品を作ろうと思います！ (2017年12月25日 8時) (
レス) id: c376f87d56 (このIDを非表示/違反報告)
湯たんぽ - 最高したし涙も出てきました！！北さん好きなので余計に、、、、これからも頑張って下さい (2017年12月25日 5時) (レス) id: e17635b3c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや x他1人 | 作成日時：2017年12月8日 17時
