【不機嫌なモノノケ庵】成り代わり奉公人は最強？ (ページ3)

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一ノ怪…一ページ3

妖怪は空想上のキャラクター。
誰もがそう思うだろう。
しかし、妖怪は実在している。
しかも、割りとすぐそばに。

『冷たっ！』

保健室で目を覚ます。
冷たかったのは
氷枕らしい。

「大丈夫？あなた、今朝も倒れたのよ？」

目が覚めると
保健室の先生に
話しかけられる。

『あ、すみません！』

俺はそう言い
慌てて布団から出ようとする。

「そんなに焦らなくても
もう、放課後だし。」

放課後と言う言葉に
衝撃を受けた。
入学式以来
ずっと保健室で過ごしている。

俺、芦屋Aは
現在、妖怪に取り付かれている。

～回想～

それは、買い物からの帰りだった。

『うわっ…！』

音楽を聞きながら歩いていたら
何かを踏みつけてしまった。

ぬいぐるみ…？

『子供の落とし物か…？』

そう言って触れると温もりを感じた。
いや、まさかな。
それにしても
ずいぶんと汚れているな。
そう思いながら
俺はモジャモジャしたやつを
袋に入れ道路沿いの見えるところに
かけてやる。

『これなら、踏まれないし
落とし主も
見つけやすいだろ。』

そう言いながら
モジャモジャしたやつを
ポンポンとした。

俺が立ち去ろうとすると
そのモジャモジャしたやつは
バッと袋から飛び出し
俺の肩に飛び乗った。

～回想終了～

それから
ずっと具合の悪い状態が続いている。

確実に何かを吸われているのを
感じてはいたが特に何もせず
そのままの状態でいる。

汚れていたので
風呂には入れたが…。