【不機嫌なモノノケ庵】成り代わり奉公人は最強？ (ページ13)

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二ノ怪…五ページ13

色々あって
今は妖怪の親玉のところにいる。

うじゃうじゃいる
葉っぱのような妖怪より
数倍は大きいであろう
その妖怪からは根が生えていて
身動きがとれないでいる。

「ギギギッ…全く、こんな人間の小僧を
つれてきおって仕方ないのぉ。」

『貴方が…この子たちの親？』

そう言い親玉を見る。

「重っ！離れろ！」

埋もれていた安倍さんも起きたらしい。
安倍さんは俺が見つめる方向をみた。

『いかにも。
小僧、妖怪が見えるのか？
ワシの声が聞こえとるんか？』

親玉はそう言った。
どこぞの親分っぽいな。

「見えるし聞こえているよ。
そこの彼もね。」

「面白い人間をつれてきおったなぁ。」

よくよく、話を聞くと
モノノケ庵の主をしている
妖怪を探しているらしい。
安倍さんって、人間だよね？

「今は、俺が主だ。
あんたの頼み事聞かせろ。」

安倍さんはそう言い
隠世の扉を出した。

…今は…ってことは
かつては、別の人…
いや妖怪が主だったのか。。

「ギギギ…まさか、
人間が主とは…
人間に頼るのは少々不安だが…
そなたが主とあらば、
わしらを隠世に
祓っていただけないか。」

「わかった。だが、あんたは…。」

「あぁ、わしは、最後でいい。
まずは、チビたちを先に祓ってくれ。」

そう親分はいった。

小さな葉っぱのような妖怪を
全て祓い終わり、安倍さんは扉を閉めた。

『えぇ、なんで閉めちゃうんですか？』

「なんじゃ、小僧。
わかってなかったのか。。
ワシの身体をよく見てみろ。」

そう言われ
その妖怪の身体をみる。
根っこが張り付いている以外は
何もない。
もしかして、その根が妖怪を
祓えない原因なのか？

『根っこ…？』

「その根は寄生樹と言って
妖怪に寄生して動けなくする。
そして、力を吸って成長する。
隠世で言えば祟り、
現世でいえば不治の病だ。」

自分が枯れる前に
祓えて良かったと言う。
まるで、最期の言葉のように。