V6°短編集° (ページ29)

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世界一青と黄ページ29

side.青

それから岡田はもともと負けず嫌いな性格に足され、

弱音１つ吐かずに、アカデミー賞で快挙を成し遂げた。

疲れてるだろ？と言うと疲れてないの一点張り。
休めと言うと、大丈夫と言う。

それでもまだ上を目指そうとするのはきっと、みんなに認められたいっていうのがあるんだと思う。

俺が弱かったから。ごめんな。

「んんっー、あっ、坂本くん」

「おはよ」

「おはよう」

しばらくの沈黙の後、

「ごめんな。」

頭にはてなを浮かべている岡田。

「俺があんなこと言ったからだよな。もうお前は立派だよ。賞ももらって、だからもう大丈夫だよ」

と言うと、

「何が？何で？どーゆうこと？」

「もう少し休んで」

と言うと、

俺の言いたいことが全部分かったみたい。

「坂本くんのせいなんかじゃないよ。俺ね、父親がいなくなった時世界で1番不幸だって思ったんだ。他にそんな家族いっぱいいるのに、やっぱり自分の大切な人がいなくなるとそう思う。でもね、俺みんなに出会ってからそんなこと思わなくなった。

みんなに出会って俺世界で1番幸せ者になったから。
だから、そんなこと言わないで。こんな生活がいやならとっくの昔にやめてるよ。
俺は、あんな優しい5人のお兄ちゃんがいたからここまでこれたんだ。

みんながそばにいて笑ってくれれば、俺は頑張れる。」

と笑う岡田に

「いつでも帰ってこいよ。ここはお前の実家だ」

と笑いながら言うと

「当たり前」

と俺たち5人にしか見せない最高の笑顔の岡田がいた。