こちら、思い出焼却炉です。【刀剣乱舞】 (ページ5)

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「是非上がっていって」

そう言われて断れるわけがなかった。

「…ごめんなさいね。ちょっと見てたの」

審神者がお茶を注ぎながら、申し訳なさそうに言う。

…さっきの事か。

「あ？…あー、いや、大丈夫です。

…さ、書類確認するんで書類ください」

「はい。

…ねえ、Aさん？」

「んー」

渡された書類に目を通しながら適当に答える。

「貴女、刀剣嫌いでしょう」

「…、…そうですよ。誰もが知っている事でしょう」

審神者はまた、申し訳なさそうにした。

近くに座っていた、この本丸の初期刀である山姥切国広はずっと真顔。

…そう言うのが、嫌いなんだ。

「…俺からも謝らせてほしい。

彼奴らも、…分かってるんだ」

分かってる、な。

本当に分かっているのなら、その上で素直になれないクソ野郎ということだな。

見た目がアレでも、中身は子供じゃあるまいし。

「おや、心配してるんですか。

私が、怒っていたらどうしようと」

「…！」

…図星か。

「やはり、貴女方から見ても私は怖いですか」

「いいえ、そんなことは…！」

しゅる、と眼帯を外す。

「…この黒い目が何よりの証です。

ねえ、怖いですか？」

「…っ…」

…こういうのが、パワハラって言うのか。