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式が終わると、各寮の案内を受けた。
寮長は綺麗だけど厳しそうな人！
副寮長さんもきれいなひと！
「りょーちょ、りょうちょ〜」
「…何？」
俺この人のことけっこう気に入った。
「俺、寮長みたいな人嫌いじゃないぜ！」
「…はぁ？
どの口で言ってるのよ。…ずっと思ってたけど、まずはその前髪！
長ったらしいったら……」
寮長は俺の髪を上にあげると俺の顔を見て固まった。
え？なに？
「…り、寮長？大丈夫そ…」
「あ、…
…あり得ない…！！！！
ちょっとルーク！！」
「お呼びかい！ヴィル！」
寮長も俺のことをお気に召したみたい。
よかった！
「ちょっとアンタこっち来なさい」
「え、でも俺やらなきゃいけないことが…」
「来なさい」
「はい…」
また遠のいていく俺の兄弟…。
…寮長はまず俺の髪の毛を整えてくれた。
「ルーくんセンパイきいて。
俺さー、ピアノめっちゃ好きなんだ」
「へえ、そうなのかい！
私もクラシックはよく聴くよ！」
「ん〜、今度聞かせたげる。
びびっ！びしっ、びりっ！と痺れる音楽！」
「ちょっと、動かないでちょうだい」
ごめんなさい…。
シャキン、シャキンと髪の毛が切れる音が響いて思い出した。
「あっ、りょうちょう。後ろはあんま切らないでね。
俺だから、」
「わかってる。
前向きなさい」
「はぁい」
丁寧で、上手な手。
いっぱい頑張った努力の手。
やっぱり俺この人好きだ。
良い人だもん。
「ほら、出来たわ」
「…、……っ〜！！！
すごい！
センパイすごい！」
俺こんなに綺麗に結べない。
センパイとお揃いのハーフアップ。
「…まぁね。
ほら、次はメイク……」
「兄弟にも見せてくる！
ありがとう！」
早く行かなきゃ！
「……行ってしまったね」
「…ルーク、追いかけるわよ」
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作者名：こゆんちゃん
| 作成日時：2024年3月27日 2時
