音楽室の貴公子様。【ツイステ】【男主】 (ページ1)

今日:13 hit、昨日:69 hit、合計:5,246 hit

プロローグページ1

「…やっと会えるぜ兄弟…！！」

少し厳つい顔をした馬が率いる馬車の中で嬉しそうに両手を上へ突き出した。

彼の手には革でできた丈夫そうな手袋がはめられている。

「…まってて、

また、君を輝かせてみせるから」

遠くに見えるNRCを小さな窓から眺めながらそう呟いた。

男はNRCに着くや否や、少し大きめな手荷物を持って学校中を走り回った。

「あった…！！！！！」

彼が行き着いた場所は________________

「俺の天国！

俺の相棒！

…会いたかったぜ兄弟！」

________そう。

音楽室である。

しかももう使われていない方の。

「ずっとこの時を待ってたんだ…。

……こんなに埃も被って、苦しかったね。

俺が今すぐ最高の状態に治してあげるから…、…兄弟も会えて嬉しい？

俺もだよ。兄弟の為にこの学校に入ったんだから…！」

彼が話しかけているのは、少し大きめのピアノ。

もう使われていない為、調律もされておらず音はガタガタ。しかも埃まみれ。

「まずは、この部屋から掃除してあげるからな！」

そう。

後に音楽室の貴公子様とも呼ばれるようになる彼…

A・フィーネは重度のピアノオタクだったのである。