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17、クギを刺す ページ18

翌朝。

僕はいつもより目覚めが良かった。

「グリム、君のおかげだな」

「?」

温もりがあるとやはり寝やすいな。



「ちょっと!!!!!!!!!」

廊下にキンとした声が響いた。

「…ああ、監督生。君か」

「先輩っ、ごめんなさい!!この子が迷惑かけたみたいで…!!

ほら、謝んなさいよ」

急にグリムの首根っこを掴んで詫びを求めた。

…ああ、

虫唾が走る。

「…、何処までも愚かなんだなぁ…。


貴様は、」

次の瞬間、

今まで動いていたモノ全てが止まった。

目の前の監督生すらも間抜けな顔で止まっている。

そんな監督生の頬をそっと手で撫でた。

「…ああ、まったく愚かな小娘だ…。

踊らされている事にも気付けないだなんて…」

その恵まれた容姿の中身もこんなにも生かせずにいては醜く見えるぞ。

「さて、」

手を一度叩くと、監督生だけが困惑した表情を見せた。

「…ひ…っ!!!!なに、これ、」

「…君は3つ悪い事をした。なにか分かるかい?」

監督生は完全に恐怖で体が震えていた。

…ああ、醜くて、愚かで、…


今までで一番愛らしい。

「一つ、グリムに勝手に触れた事」

監督生の少し絡まった黒髪に触れると、監督生は恐怖で力が抜けたのか膝から落ちた。

「…ん〜…、まぁいいか。

二つ、僕の前で汚らわしい声を聞かせた事」

監督生を見ると謝罪を繰り返していた。

「…最後、


勝手にヒロインだと思い込んだ事だ。

…君はもう気づいているんだろう、この物語(シナリオ)が誰の手によって、誰のためだけに仕組まれているのか。



…ああ、面倒くさい。これだから夢にうつつを抜かしたような女は嫌なんだ。

私はA・リズリー。この学園の、世界の、平和を守る者。


…あまり、おかしな行動はしてくれるなよ」



「…ぁ、…ああ…、…



(どうして?どうして、この人が、)」


項垂れる監督生を尻目に、僕はグリムを腕に抱き直した。

18、誰が為→←16、もう一匹の寮生



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こゆんちゃん(プロフ) - さにかんさん» さっそく読ませていただきました〜!さにかん様の男主くんらしさも出ていて良かったです💕 (2023年2月2日 23時) (レス) id: 56b97daa9a (このIDを非表示/違反報告)
さにかん(プロフ) - 書きました! (2023年2月2日 14時) (レス) @page5 id: 880b7bddc6 (このIDを非表示/違反報告)
こゆんちゃん(プロフ) - さにかんさん» 大丈夫です!確認取ってくださってありがとうございました💕楽しみにしています! (2023年2月2日 12時) (レス) id: 56b97daa9a (このIDを非表示/違反報告)
さにかん(プロフ) - OKです 主人公くんは僕が書いている主人公でもよろしいでしょうか? (2023年2月2日 12時) (レス) id: 880b7bddc6 (このIDを非表示/違反報告)
こゆんちゃん(プロフ) - さにかんさん» 私のユーザー名や、この作品のURLまたは名前を乗せていただくのであれば可能です🙆♀また、作成した際には少し報告をしてくださると嬉しいです。それでもよろしいでしょうか? (2023年2月2日 11時) (レス) @page1 id: 56b97daa9a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こゆんちゃん | 作成日時:2022年11月7日 10時

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