乗っ取られたら悲しかったので来世に期待しようと思います。【刀剣乱舞】 (ページ32)

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加州清光sideーーー。

痛々しい音が響き、主の悲痛な声が聞こえた。

「…っ、

いい加減にしなさい！！！！」

「！」

「…憎い、私の家族を奪っていった見習いが、私はとても憎かった！！

私の努力を、たったの数週間で奪い取っていった彼奴が憎かった！！！

彼奴が生きている価値など無いと、何度も思った！！！」

あんなに静かだった主は、言葉遣いも声量も表情でさえ全く違うものだった。

だけど、

その言葉は俺達の心にも深く刺さった。

「自業自得でしょう！！どうして今更助けを求める、」

「…っ」

「言え！！！！さっきまでの覇気はどうした！！！」

…彼奴も完全に怯えていた。

ずっと主を見下していたのだろう。

「どうせ、反論できない弱虫」なのだと。

だけど、あれでも一時は俺達の主で

ゴリラ本丸だとか、最強本丸だとか言われていた時もあった本丸をゼロから築き上げた審神者だ。

人並み以上の度胸が、無いわけがない。

「…あ、アタシは、…

…私だって今までずっと我慢してたのよ！！！

先祖が審神者だからって、知りたくも無いのに知らないといけない情報、

限られた相手としか遊べなかったし、

自由が欲しかったの！！！

…刀剣男士が、私達家族をその見習いの代から恨んでいたことなんて、

…知ってたわよ…」

…！

「…でも、私だって辛かった。ママは私を産んですぐに本丸を出ていっちゃったから、全部仕事を私に押し付けて、

小さい頃から審神者の教養だとか、霊力の扱い方だとか、

…遊ぶ暇もなかったのよ、

その上、今までのママやお婆ちゃん達からの扱いで私は刀剣男士に決して望まれている子供じゃなかった。

私が話しかけても、アンタ達は直ぐに目をそらすじゃない！！

…思い出してよ。

アンタ達が私を心配してくれたこと、一度でもあった…？」

答えは、

Noだ。

…俺達、最低だ。

あの時の見習いと、美咲を重ねて見てたんだ。