乗っ取られたら悲しかったので来世に期待しようと思います。【刀剣乱舞】 (ページ18)

今日:9 hit、昨日:3 hit、合計:47,840 hit

１７ページ18

「…、…っ」

「ん？…ああ、今は話さなくても良いよー。Aが話せる時に…」

「わたしッ、…前世の記憶があるんです、」

…りょうちゃんはポカン、と口を開けていた。

「…待って待って、…漫画とかでよく見るやつ？」

「はい…」

「…ごめん、えっと…それで…」

…怖い…

そう思いながらも、私は口を開いた。

「…まず前提として私は、幼い頃から審神者としての訓練を受けてお母さんとは７歳の頃までしか居れていません」

「…うん、」

「…それから数年後の、１２歳。私は審神者として、初期刀…加州清光と出会いました」

…ああ、…あの時は嬉しかったなぁ

可愛くて、かっこよくて、…初めての、

私の刀剣男士。

「…そして、また十年後。今度は私が２２歳の時。

私の本丸は練度が高く、全振り揃っていました。

だから、見習いが来たんです」

…これが、悲劇の始まりだった。

「…可愛らしくて、優しくて、…」

ガサツな私とは大違いだった。

「それでも最初は、みんな仲が良くて審神者、刀剣男士、見習いの立場はしっかり弁えていたんです」

…あの頃は良かった。

「…だけど、二週間後。急に見習いの態度が急変しました」

「…聞いても良い？」

「…はい。…勝手に出陣をさせたのです」

…しかも、刀装、お守りを着けずに。

「幸い、折れる刀はいませんでした。だけど、戦好きの子達は戦場でただ立っているだけの自分がトラウマになってしまいました。

しかも、政府はその事をただのバグ、エラーとして済ませたんです」

「…ひどい…」

「見習いは、心が傷ついた刀剣男士を癒しました。そして絆したんです」

「…」

何年も一緒にいるから、大丈夫だと思った。

私のところに、帰ってきてくれるって思ってた。

「…、…けど、…そうなったら、もう私にできることは何もなかった…」

「…っ、」

「…それから、二日後。見習いが自分の頬を叩き、大きな悲鳴をあげて皆を呼びました」

「…嘘…、…」

「…私達はまんまと嵌められてしまったんです。

そこから、見習いは同じ行為を繰り返しました。
自作自演というやつです。

…刀剣男士達は、私に冷たく当たるようになりました。主、と呼ばないでアンタ、お前…醜女」

「…っ！！…A、…こういう時…なんて言ったら、…その、…良いのか…」

「暴力も振るわれるようになりました、…ご飯も出してくれなくなりました。私は、

耐えきれなくて…自分で命を絶ちました」

「…え…」