ワスレナグサ (ページ10)

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いよいよ推薦入試が当日になり、

私は朝から気持ち悪さと戦っていた。

母｢随分顔色悪いけど大丈夫なの？」

父｢今日が推薦入試の日だっけか？
Aなら大丈夫だからあまり緊張すんな｣

健太｢祐希が言ってたぜ。あのAが
本気出してるみたいだから落ちるはずないって｣

『胃が痛い…』

健太｢いつものAでいいんだよ。
それに祐希が校門まで行ってくれるんだろ？｣

お母さんが私のために豪華な朝ごはんを

作ってくれたり不安症な私のために

沢山抱きしめてくれたり

愛されてるんだなぁとつくづく感じた。

お母さんとお父さんの元に

産まれてきて本当に幸せだなぁ。

『よし、頑張ってくる！』

母｢いってらしゃい｣

父｢リラックスして挑むんだぞ？｣

健太｢お前なら大丈夫。｣

家族の声援に胸が熱くなって、

私は勢いよく玄関から飛び出した。

石川｢おはよ。｣

『祐希〜緊張する、泣きそう』

石川｢大丈夫だって。
試験終わるの1時でしょ？迎えくるから｣

『祐希が迎えくるの思いながら頑張る』

石川｢何それ。もっと他に思うことあるでしょ｣

朝弱いはずなのに、

いつも私のために早起きをして

待ってくれてる祐希とこんなふうに歩くのも

あと少しだけなんだなぁ。

でも私は変わるって決めたんだ。

祐希がいなくても強くなるって。