ワスレナグサ (ページ9)

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受験が始まるまでの毎日は忙しくて

呑気な事を考えられないぐらい大変だった。

それに、勉強が苦手な私にとっては

学校の先生や塾の講師の授業は憂鬱で

受験は出来ても合格はしないんじゃないかと

思うほどに頭がパンクしていた。

石川｢勉強捗ってる？｣

『全然捗ってないよ。頭がパンクしそう』

石川｢Aなら絶対合格するよ。｣

『その根拠は何？』

石川｢毎日頑張ってるから。｣

『頑張ってても結果が災難だったら
意味ないじゃん…』

石川｢推薦で行くんでしょ？安心じゃない？｣

『推薦でも小論文があるから…』

石川｢そうなの？なんで？｣

『一般推薦だからだよ。
祐希がやる特別推薦とは訳が違うの。』

石川｢そうだったんだ。でも俺実技はあるよ｣

『選手だからあるでしょうよ
私は部員は部員でもマネージャーだし。』

石川｢初めて知った。来週でしょ？頑張って｣

塾の送り迎えも、学校帰りも

祐希がいつもしてくれて

私が泣き出しそうなタイミングで

大量のお菓子を持って励ましてくれる。

石川｢お互い高校受かったらさ、
日帰りでどこか旅行行かない？｣

『え、いいね。楽しそう！
でも、私そんなにお小遣いないよ』

石川｢お金のことは心配しないで。
その日のために俺が貯金してたから｣

『え！？本当に！？』

石川｢本当だけど。｣

やっぱり祐希は大人だなぁ。

いつも先のことを考えて行動するところは

本当に尊敬しちゃうんだ。

同い年のはずなのに、考え方も行動も

大人な祐希だから私は好きなんだ。