ワスレナグサ (ページ45)

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誰かと一緒にいれば気分が紛れて

寂しくて辛い感情が無くなると思ったのに

柳田さんと話せば話すほどに

思い出すのは祐希の事ばかり。

もし祐希が隣にいてくれたら

私にちょっかいを出してくるんだろうなとか

もし私がお菓子を食べてたら

「無理して食べんなよ」って止めてくるだろうなとか

そんなことばかり思い出して、

泣き出しそうになったけれど、

柳田さんに迷惑をかけたくなくて

必死にお菓子を食べ続けていた。

柳田「そんなにお菓子好きなの？
大丈夫？無理して食べてない？」

今私の隣にいるのは柳田さんなのに

いつの日かの祐希の姿と重なって

思わず泣いてしまった私に

柳田さんは優しく声をかけ続けてくれた。

『すみません。泣いてしまって。』

柳田「ううん。大丈夫だよ。
寮ってことは一人なんだよね？」

『はいそうです。』

柳田「家族と離れるわけだけだから
そりゃ泣きたくなる気持ち分かるよ。

これから学校始まって忙しくなっても
寂しい思いは絶対するかもしれないけど
俺が卒業するまでは楽しく過ごせるように頑張るから」

柳田さんの言葉に何故か安心してしまい

ほんの少しだけ悲しかった気持ちが

薄れていくのが自分でもわかった。

『頼もしい先輩ですね』

柳田「マネージャーしてくれる訳でしょ？
だったら直属の後輩になるから
東洋のバレー部に入ってよかったって
思われたいから！先輩ズラしてみた！笑」

ふふとハニカム柳田さんは

まるで小動物みたいで可愛く思えた。