ワスレナグサ (ページ25)

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祐希が来るまでお兄ちゃんと

他愛もない話をしている時に

家のインターホンが鳴った。

お兄ちゃんが返事をしながら

玄関の扉を開けるといつもと雰囲気が違う

祐希が立っていて思わず見とれてしまっていた。

石川「今日Aと遊ぶ約束してたので
迎えに来ました」

健太「A〜祐希来たよ」

こういう時どんな反応が正解なのだろう。

私はいつも通りに接する事に精一杯だった。

『じゃ遊んでくるね〜』

健太「あんまり夜遅くなりすぎるなよ？」

石川「もちろんです！9時までには帰ってきます」

祐希はただ迎えに来るとだけ言って

電話を切ってしまったから

今日どこに何をするのか分からない。

だから車道側を歩いてる祐希の歩幅に合わせ

祐希が歩いていく方向へついていくことにした。

『どこ行くの？』

石川「内緒。」

何気なく祐希の首元を見ていると

あの日私があげたネックレスをつけていて

少しだけ嬉しかったのと同時に、

祐希に彼女ができませんようにと

腹黒い思いも芽生えてしまっていた。

私がそんな事を思ってるなんて知ったら

きっと祐希は引いてしまうだろう。

石川「向こう行っても変な男に騙されるなよ」

『変な男？』

石川「俺はAがいないと生きていけない
とか超寒いこと言うような男とか。」

『ぶっ何それ。今どきそんなこと言うような男
いるわけないでしょ』

“私がいないと生きていけない”

そんな風に思ってくれる人は

絶対に現れないと思うし、

現れたとしても祐希がいいな