ワスレナグサ (ページ15)

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祐希とご飯を食べ終わり、

真奈と真佑と、家族のためにお土産を買い

新幹線に乗り込んだ。

ユラユラと揺られ眠くなった私は

祐希の肩に軽く頭を乗せた。

石川｢もっと体重かけたら？寝違いするよ。
降りる駅になったら起こすし。｣

『ありがとう、肩借りるね』

何気ない祐希の優しさは、

昔から変わらないようだ。

崖から落ちる夢を見て驚いた私はハッと目が覚めた。

目を閉じる前までは電車に居たはずなのに

今の目の前の光景は見慣れた私の部屋で、

理解するまでに時間がかかってしまった。

石川｢起きた？｣

『え、いつの間に部屋に来たの？』

石川｢30分前ぐらいかな。
何回か揺すったけど起きなかったから
おぶって家まで帰ってきた。｣

『え！？ごめん…』

石川｢なんで謝るわけ？
ていうか、ちゃんとご飯食べてる？｣

『食べてるけど』

石川｢本当に？すごい軽かったけど。｣

駅のホームから私の家までは

かなり距離があるはずなのに

祐希は寝ている私を運んでくれていたみたいだ。

多分私が起きなかったていうのは

祐希なりの嘘なんだろう。

その証拠に前髪を触りだし私と目を合わせないからだ。

『本当にありがとう』

石川｢もう俺帰るよ、また明日な｣

『うん！今日は本当にありがとね！
祐希が着いてきてくれて助かったよ！』

本当は祐希と同じ高校に行きたいんだ。

本当は祐希と離れるのは嫌なんだ。

でも、これ以上祐希の負担になりたくないのも

祐希がそばにいなくてもやっていきたい

っていう気持ちもあって

心のどこかでずっとモヤモヤしてるんだ。

もし、東洋に受かって向こうで生活をしたら

このモヤモヤも消えてくれるのだろうか。