ワスレナグサ (ページ13)

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私を正門まで案内をしてくれている彼は

見るからに大きくて少しガタイもよく

バレーがバスケのどちらかの部活に

所属しているんだろうなと思った。

バレー部だとしても、私が受からなければ

この先彼とは一生関わることはないだろうけど。

｢この高校で何部に入る予定なの？｣

『えっと、運良く受かることが出来たら
男子バレーのマネージャーに入りたいです』

｢えっそうなの？俺バレー部にいるよ！
来年一緒に部活できるの楽しみだね〜」

『受かるか分かりませんよ笑』

｢絶対君は受かってるよ！勘だけどね！｣

子供のように無邪気に笑う彼に

少しだけ胸がキュンとして思わず目を逸らした。

｢あっ、そろそろ正門着くよ。
あれ？朝一緒にいた男の子がきてる｣

『ありがとうございました！』

｢いえいえ、じゃまた来年会おうね〜｣

そう言いながら私に背を向けて帰って行った

彼の後ろ姿をただボーッと見つめていた。

石川｢A！」

祐希に大きな声で名前を呼ばれた私は、

ハッと我に返り祐希が待っている正門へ走りだした。

石川｢さっきまで一緒にいた男誰？｣

『多分この学校の先輩かも！
正門まで案内してくれて』

石川｢あっそ。これからどうする？
どこか寄ってから帰る？｣

『うん！何か安心したのかお腹すいちゃった！』

石川｢ハンバーガーと焼肉どっちがいい？｣

『ハンバーガーで！』

そういや、あの人の名前聞いてたら良かったなぁ

初対面の人にあんなに優しく声をかけてくれて

他愛もない話を続けてくれたあの人は

きっとモテてるんだろうな