ワスレナグサ (ページ12)

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小論文のテストも面接も

自分なりに精一杯やったつもりだ。

合否が分かるまで2ヶ月あって

その間不安じゃないって言ったら嘘になるけれど

結果がどっちに転んでも後悔はないぐらい

全力でやったと自分的には思っている。

自分の荷物をまとめて帰ろうと

長い廊下を歩いていると東洋の学生らしき人が

二の腕にワッペンみたいなのをつけて

前から歩いているのが見えた。

その歩いてる人が何だか見覚えのある人で

思わずその場に立ち止まってしまった私。

そんな私に気づいたのか小走りで近づいてきて

｢もしかして迷った？正門まで案内しようか？｣

と優しい声とその顔を間近で見た瞬間

思わず｢あっ｣と声が漏れてしまった私。

｢あれ？どこかで会った気がするけど気のせい？｣

『ここに来る前にぶつかりました。』

｢確かにそうだ！さっきはごめんね？
こんな偶然あるんだね。ここに受験してたんだね｣

『はい』

｢さっき一緒にいた子は受験してないの？｣

『他の高校を受験してます』

｢そっか。うちはもう受験終わったんだよね？
今帰り道？｣

『そうです！』

｢じゃ正門まで案内するよ。｣

祐希とはまた違う優しさが彼にはあった。

祐希と一緒にいる時とは

違う感情が私の心の中で弾けた気がした。