【d!】私とピアノと (ページ8)

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6枚目の楽譜ページ8

俺たちは最後に学校の一番端にある音楽室に走った

でもおかしいんよな、職員室にはどの教室の鍵もあったはずやねんけど

音楽室の前に着いた俺たちは、中からなにか聞こえることに気づいた

zm｢なんか聴こえへん？｣

sha｢せやな、明らかに音楽室、この中からや｣

ut｢とりあえず覗いてみるか｣

俺たちは少し音楽室のドアを音が立たないように開けた

すると、

～～～～♪～～～～♪

『悲しみに閉ざされて

泣くだけの君じゃない

熱い胸、きっと未来を切り開く筈さ

悲しみに閉ざされて

泣くだけじゃつまらない

きっと、きっと、君の、夢の

チカラ、今を、動かすチカラ

信じてるよ……だからSTART』

綺麗な歌声と、ピアノの音が聴こえてきた

俺たちはピアノを弾きながら歌う彼女に見入ってしまった

キラキラと、輝いているように見えた

でも、どこか寂しげだった

sha｢綺麗…………｣

見入っていると、隣にいたシャオロンがそう呟いた

あ、こいつ絶対今一目惚れしたで

ライバル多いなぁ、そう思いながらAが歌うのを静かに見た

歌い終わって、思わず拍手しそうになったが、どうにか抑えて、そのまま見守っていた

するとAは

『やっぱり………寂しい…………』

そう、呟いた

寂しい？何が寂しいんや？

ut｢Aちゃん、なんかあったような顔しとんな……｣

sha｢違和感はそれやったんや｣

確かにどこか寂しげだった

でも、なんでかは分からない

そして、次に彼女が呟いたのは

『自分を………好きになれたら………』

そんで俺は、いつの間にかドアを開けて音楽室にはいっていた

『俺は好きやで』

そう、言っていた

驚いたようにAが振り返る

その可愛い表情を俺だけにみせてくれたらなぁ
と思ってしまった

『ゾムさん………』

俺は好きやで、Aのことも

Aのピアノも