【d!】私とピアノと (ページ2)

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プロローグページ2

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大きく響く拍手

世界的に有名なホール

眩しくて熱いくらいに照らされたスポットライト

いつまでもなれないドレスを着て客席を見る私

『……………』

これが私、AA

今ここにいるお客さん、スタッフさんからすれば〖世界的天才ピアニスト少女〗

私はこんな自分が大嫌い

ピアノが嫌いってわけじゃない

むしろピアノは大好きだ

私が嫌いなのは、そう

〖世界的天才ピアニスト少女〗としか見られないこと

私だって

私だって

普通の高校2年生なのに

『…………』

何も言わないまま、私は舞台袖に戻る

「今日も素敵でした！！」
「かっこよかったですよね！！」
「さすが天才ピアニストだな！！」
「世界を変えられる少女かもしれん！」

客席から聞こえるそんな声

これだから、私は私がきらいだ

いつもと変わらない、いつもと変わるはずない

こんな日常、もう飽きた

この物語は

自分が嫌いな〖世界的天才ピアニスト少女〗が

新しく紡ぐ物語

私と

ピアノと

『…………なにか………聴こえた………この音………』

新しい音から始まる

アンサンブル

『この音は………何の………始まり………』