【番外編】俺の ページ21
俺が大学に入学した時からAさんとは同居している
なんというかやはりA家と言うのはかなりなお金持ちであり地位の高い所に位置することがこうやって暮らすようになって少しずつわかってきた
しかしせんぱ……Aさんは昔から変わらずだ
様々な能力を持ち、それも人の何倍もの力を持つ
容量がよく頭の回転が早い
何をやらせても完璧になしとげる
けれど本人は
「まぁ、基本的にはできるけど、あんまり気にしてないんだよね、人より何かが出来たって、1人だったら意味ないし
昔はずっとこうやってなんでも出来るせいで1人ぼっちだったから、なにも、知らなかったから
こんな自分が嫌いだったけど、でもそれが、しょーくんのためになるなら、こんな自分でも良かったのかなって、ふふっ」
なんて言うんやから、ほんま俺の先輩可愛ええ……
けどやはり抜けている
Aさんは大学卒業後、予定通り進路は両親がやる総合病院で薬剤師をやっている
薬剤師、と言ってこの人、やはり優秀で
薬剤師だけでなく看護師達の業務管理や指示をやったり週一で看護師や医師を集めて患者に処方する薬や注意事項などの連絡
薬に関しての相談やカウンセリング、外来のサポートなどなど…
お人好し過ぎるのもここまで来ると問題と言ってもいいくらいに仕事を掛け持ちしている
休みなんてほとんどない、休みの大体は半日、いわゆる半ドンと言うやつだ
なにより俺とAさんはゲーム実況者をやっている
撮影に参加できるのも少ないが、まとめ撮りできる時はするので間隔があくとしても2週間ほど、約14本分
最初の頃こそ色々と話題にもなったし賛否両論もあったが、今となっては大人気だ、それは絵師としても実況者としても
「どんなに忙しくても、どんなに苦しくても、どんなに休みがなくても
私は今の生活が少なくとも楽しいと思えるし、昔みたいに自分を隠して生活するより、こうやって絵を描いて見てもらえて、実況してたくさんの人に声を届けられる
自分の気持ちも伝えられるし、それに答えてくれるメンバーやリスナーさんがいる、認めてくれる人が、いる
なにより、私にはしょーくんがいるから」
『本っ当に、どれだけ自分を犠牲にすれば気が済むんですか？
まぁでも、
俺は好きですよ、Aのそんな所が』
俺の先輩は、
俺のAは、
俺の
彼女は
本当に目が離せない
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作者名：涼風彩 | 作成日時：2020年5月28日 13時
