その後は ページ14
あの日、晴れて俺と先輩は恋人同士になった
確かに先輩に出会ったのは今年の4月、出会って数ヶ月だけど、俺からしたら、あの日、先輩の絵に出会った時からが始まりだ
あの日、出会った『透明の本』
きっと俺はあの頃から恋していたんだと思う
あれから夏休みが明け、先輩はまたしても勝手に作品を色々な所に出展され気づかないうちに賞をとっていた
本人も「え？あ〜、あれ、出てたんだ、校長先生も勝手に美術準備室から私の作品発掘するのやめてくださいね〜？ほんと物好きなんですから」と言っていた
見た感じA先輩は校長先生とはとても仲がいいようで、なんだかんだ心を許しているようだった
俺は、どちらかと言えば先輩と合作することの方が多くなった
俺たちが付き合っているということは俺も先輩も話さないから知れ渡ることはなかった
でも俺としては好都合
先輩に悪い虫がつかないし、もとより教室での先輩の様子を聞く限りきっと大丈夫だろう
まぁ生徒会のあの人たちの中には勘づいている人もいそうやけど…
冬に近づくにつれ先輩も受験勉強が忙しくなる、かと思いきや
あの人、頭ええんやわ、あの人、まじで
受験勉強はしているらしいが明らかに生徒会のメンツより時間が有り余っている
受験自体は年明けらしいがこの調子だといつも通りの生活を送りそうな気がする
A先輩が受験する予定なのは医学、薬学、法学に特化した大学
本人曰く専門学校でもいいらしいが、両親に「Aはこれくらいの大学余裕やから大丈夫、病院に務めるまでに青春っちゅうか遊んだりもしたいやろうからゆっくり通ってええよ」って言われたらしい
聞いたところでは厳しい親御さんなのかと思ったがAさんの実力を理解してるからこその発言やなって
まぁいつか挨拶するから、でもええ人達やなって
確かに先輩の学力だったら合格も確実やろうし卒業も確実やからな…
あれから先輩も絵を描き続けている
俺がびっくりしたのは前に先輩の部屋にお邪魔した時に機材が大量にあったことだ
俺もよく知らないがペンタブや液タブ(めっちゃでかい)きっと最新であろうパソコン(3面)とキーボードやスピーカー
ヘッドホンやマイク(なぜ？？？)イラストの構図の本や色見本、なんなら机と椅子などなどエトセトラエトセトラ……
一体何をするのかと思って聞いてみたら…
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作者名：涼風彩 | 作成日時：2020年5月28日 13時
