5話 桜華 ページ6
「ただいま、帰りました」
ヤ1「お嬢、おかえりなさい」
「桜華はどこ?」
ヤ2「桜華嬢だったら、大広間で遊んでいやす」
私は、大広間に向かった。
「桜華」
桜「ママ〜」
「ただいま。今日は、何して遊んだのかな〜?」
桜「今日はね〜おじさん達と歩くれんちゅうして、マオちゃんの背中でお昼寝したの〜」
「そっか〜、皆いつもありがとう」
ヤ3「いえ、俺ら好きでやってることなんで」
ヤ4「逆にお世話しないと俺ら落ち着かないんで」
ヤ5「でも、桜華嬢。お嬢に似て物分りが良すぎてあまり手を焼かないんですよね」
ヤ6「その内、自分のことなんでもできるようになって、俺らのする事なんもなくるかもな」
ヤクザのおじさん達が半泣きしているのが、見えた。
「明日から暫く、授業が終わったらまっすぐ帰るから皆の事少し休められると思う」
ヤ5「いえ、俺らはそんな…」
「日本の教育者、水谷先生は言ったは、“子供に接するのに電話もメールも言葉も要らない、 ほめてあげて、ひたすら抱きしめてやればいい”って。今の私にはそれができていないと思うの。だから、これは私の我が儘って事にしておいて。ねぇ〜桜華」
桜「ねぇ〜」
そう言った桜華に私はキスをした。
この子の名前は、藤井桜華。ドイツ人と日本人のハーフで、私の娘。容姿は父親に似てしまったから、金髪に青い目。去年の7月に出産して、もうすぐ1歳になる。
父親の事は、誰もしらない。もちろん、桜華にも。
これからも言わないつもりでいる。
ただ、これだけは皆にいつも言ってる。
「藤井組でも決して、手の届かない所にいる人」だと
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作者名:かんざし | 作成日時:2017年8月20日 21時