4話 過ち ページ5
凪「いつまで怒ってるんだよ、ルナ」
彼女が南高校に来る事になり、1日目が終わった。
今、私達は家に帰るところ。
ひ「あ!?凪、お前あいつの見方するのか!?」
凪「いえ、そういう訳じゃねえけど…」
与「ミホちゃんは、お嬢様だから人のお世話をするって経験がないんだろうね」
私は、一旦足を止めた。
「日本の小説家、山本周五郎 は言ったは“あやまちを犯す人間は、たいてい責任を人になすりつけるものだ。”と。彼女はコッチ側の人間ではない。ましてやこれから人の上に立つ方。そんな方が責任を人になすりつけるなどあってはならないのよ。私のようにならないためにも」
千「お前は、桜華を生んだことを過ちと思っているのか?」
「…後悔はしてない。ただ、藤井組の長女として情けない気持ちで一杯なだけ。皆の怪我を少しでも癒したくて、向こうの学校に留学し、免許を取った。だけど免許を取ったからと言ってなんでも自由にしては良いという訳じゃない。挙句の果てに、決して実らないとわかっていた相手に恋をし、一方的に別れを告げ、日本へ帰国し、子供を妊娠するなんて藤井組の恥よ、私は」
凪「そんな事気にすることねぇだろう。大体、純さんだって桜華を産む事に反対しな「私は、」っ」
「私は、何回かまだ産まれてない桜華に責任をなすりかけようとしたの」
皆「!!」
「貴方さえ、いなければ私がアッチで何をしていたかなんて父上にしられなかったのにって。今思えば、自分が弱く、情けない人間だと心に突き刺さるの。だから、私は、貴方達に優しい言葉を掛けてもらう資格はないの」
そう言って、私は家の帰る道をまた歩き始めた。
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作者名:かんざし | 作成日時:2017年8月20日 21時