残り香 ページ23
薄暗い教室がまた一つ暗くなった頃に、私の目は覚めた。寄りかかっていたピスサイ君は椅子になっていたし、黒のパーカーが私をすっぽり覆っている。ピスサイ君のだってすぐに分かった。
軽く伸びをしてパーカーに腕を通す。今は暑いくらいだったけど、持つ気分にはなれなかった。おしりを払って教室を出る。人が来ないせいで廊下に電気がついていなくて壁をつたいながら元の道を辿った。
・
『今日の配信はおやすみします』……うーん堅苦しいかな。晩御飯にしようと寄ったマックのカウンターで、呟きの文面を考える。
『今日は配信なし祭り開催のため、紫牙Aは不在です』………うーん。はっちゃけ過ぎかぁ。
＿＿＿＿コンコン。
？。目の前のガラスが叩かれ、顔を上げる。
｢！？、が、ガク君！？｣
思わず声を出してしまい咄嗟に口を塞ぐ。周りの視線が痛い。彼はくふくふ笑った後、口をパクパクさせた。………おおいい、え？私がポカンとその言葉を読み取ろうとしている間にガク君はふらりとどこかに行ってしまう。なんだったんだろ………しばらくガク君が行った方向を眺め、ハッと我に返り椅子に座り直す。
えーっと。『今日は配信無しま』………うーんこれから離れる事から始めなきゃかな。
｢＿＿＿Aちゃん｣
｢……………！？！？？ガっ？！？わぎゃぁ！？｣
｢Aちゃん！？！？｣
椅子から落ちそうになった身体をガク君が腕を掴んで抱きとめてくれる。私はガク君の胸にダイブして、拍子にギュッと彼の背中に手を回してしまった。
｢あっぶな、｣
｢……あっ、ありがとうございます……｣
どさくさに紛れて掴んでしまった服を急いで手放す。訳が分からなくて、それでも何かを言わなくちゃダメな気がして、とにかくガク君の方を見やった。
｢………………え、？｣
｢なんで｣
彼は怖い顔をして、私のパーカーをギュッと握った。
｢ガク君、？｣
｢なんで君からアイツの匂いがするんだ？｣
…………え？
私は意味がよく理解出来なくて、口を半開きにしたままガク君を見つめる。彼は眉間に皺を寄せて、そんな顔見た事がなかった。
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あやせ - 完結おめでとうございます！面白くて大好きです！ (3月7日 8時) (
レス) @page43 id: 22218ac678 (このIDを非表示/違反報告)
利き手(プロフ) - あぁ...タイトル回収......完結おめでとうございます！！すごく！！すごく面白かったです！、！！！！ (8月20日 9時) (レス) @page44 id: fbcc91bb13 (このIDを非表示/違反報告)
ラク - 完結おめでとうございます！！fsmもpssiも作品があまりなかったので最高の作品に出会えて嬉しいです！素晴らしい作品をありがとうございました！ (8月14日 23時) (レス) @page44 id: b973ae7cca (このIDを非表示/違反報告)
ぴた(プロフ) - ハルトさん» 楽しんでいただけて何よりです〜！長い間ありがとうございました！過去にも何度もコメントして頂けていて、心の支えでした……こちらこそありがとうございました〜！ (8月14日 21時) (レス) id: 2515d01abe (このIDを非表示/違反報告)
ぴた(プロフ) - 落ち椿さん» コメントありがとうございます！初期の方からずっと見ていただけて、とても嬉しいです。fsm夢はもっと増えてほしいですよね！笑。嬉しいお言葉本当にありがとうございます〜！ (8月14日 21時) (レス) id: 2515d01abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴた
| 作成日時：2023年4月9日 19時
