クロノスタシス...ナガマツシンタロウ ページ8
夏の夜は昼の湿気を少し帯びて湿っぽいからあまり好きじゃない
でもシンタロウは夜が好きだから、よく一緒に散歩をする
この前どうして好きなのか聞いてみたら、
誰かの秘密を知れるから
って言っていた
へぇ
としか言えなかったけど、何となくわかるような気がした
いや、きっとよく分かってはいないんだけど
分かったつもりでいたらいつかきっとほんとに分かる時が来ると思うからそういうことにしておく
今日もまた散歩をしていた
『ちょっと寄り道』
｢今日はまっすぐ帰るんじゃないの？｣
気分が変わったんだよ〜
と言いながら
繋がれていた手はいつの間にかするりと解かれその手にはさっき買ったばかり350mlの缶ビールが握られていた
右に曲がるとすぐに見えるシンタロウのアパートを
まっすぐ歩いていくと右側に公園がある
その公園の真ん中の道を
シンタロウはゆらりゆらりと前に進んでいった
街灯の下揺れる君の髪を目で追うと
何だか夢見心地だ
『シンタロウ』
ふと名前を呼んでみた
ゆっくりと振り返ったシンタロウの目と私の目が合った時、ほんの一瞬
時間が止まったような気がした
その黒い黒い瞳に吸い込まれそうになった
ハッと我に返った時、シンタロウは笑いながら
｢何、そのアホ面｣
と言った
内心少し焦っていた
あの瞳に吸い込まれてしまったら
彼の心の針に触れたら
私はきっと戻れないところまで引きずり込まれるんだろうか
『手繋ご』
｢ん｣
そんな自分を押し隠して平静を装った
せめて君が夢に逃げてしまわないように
歩く速度が違うから
BPMは83くらいに合わせる
そう言われたことがあるけど全くピンと来ない
シンタロウはいつもすくすくと歩いていってしまうから、勿体ないといつも思ってしまう
でもそれも君らしくて好きだ
人生に生き急いでがむしゃらな君が好き
『好きだよ』
その言葉には返事は無くキスで返された
『クロノスタシスって知ってる？』
｢しらね｣
『時計の針が止まってるように見えること』
｢あー
わかる気がする｣
君を見てるとそうなるんだよ
いつまでも一生そのままでいたくなる
それは言わないでおこう
一生なんてないよ
今しかないから
って君が言うこと、知ってるから
『そろそろ帰ろ』
夏の夜は長い
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がーさんリクエストありがとうございました！
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めん(プロフ) - みちあさん» ありがとうございます、、めちゃ嬉しいです、、ｳｳ、、 (2020年6月15日 11時) (
レス) id: 43401510ae (このIDを非表示/違反報告)
みちあ(プロフ) - 最新話、、、泣いてしまいました、、、、素晴らしく最高すぎますありがとうございました、、、、うぅ、、GENちゃん、、、、、 (2020年6月15日 2時) (レス) id: b5982a67b2 (このIDを非表示/違反報告)
がー(プロフ) - 最高です・・・！！これからも気が向いたらシンタロウさん書いてください！(ひいきがすごい笑笑)他のも好きです笑笑 (2020年2月2日 1時) (レス) id: 8eb0f6b23c (このIDを非表示/違反報告)
めん(プロフ) - がーさん» ありがとうございます、、！！最近全く書いてなかったので書きますね！！ (2020年2月2日 0時) (レス) id: 43401510ae (このIDを非表示/違反報告)
がー(プロフ) - 1を読んで惚れました！！シンタロウさんの小説読みたいです！！ (2020年1月8日 1時) (レス) id: 8eb0f6b23c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めん | 作成日時：2018年9月22日 21時
