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飲み会も終盤に差し掛かりこのあとどうするか〜という話が出始めてきた頃、かなり酔いが回っていた



「Aあんた大丈夫?」


『これ以上は飲めないわ、、悪いけど二次会パスで』


「駅まで送ろうか?」


『歩いてすぐだし大丈夫だよ、ありがとう』


また呑もーぜ!
今度遊ぼ!
という決まり文句はもう信じないことにしているので、適当に友人たちに別れを告げて居酒屋を後にした



夜になっても東京の夏は恐ろしく暑い
顔にじっとりとまとわりつく嫌な湿気に顔を顰めながら終電の時間を調べようとスマホを取り出す


「終電なんてもうねーよ」


あまりに突然過ぎて声を出して驚いてしまった

横には学が立っている


『びっくりした、、、
てか、あんたももう帰るの?さっき来たばっかじゃん』


「顔ちょっと出しただけだし
それにお前そんな酔ってたらまっすぐ家なんて帰れねえよ」


『よくご存知で』


「乗れよ」


歩いていった先にはバイクがあった


『いやいやさっき酒飲んでたでしょ』

「ノンアルに決まってんだろ」

『うわー!大人になったねー!』


たりめえだろ、と言いながら私にヘルメットを投げる
バイクなんて久々で内心ビビりながら学の腰が折れそうな力でつかまっていた


「飛ばすか」


『安全運転でお願いします』



西へ西へと過ぎていく景色をぼうっと眺める

学の背中が昔から好きだ



『ねえ覚えてる?
昔学の自転車で星空見に行ったこと』


「覚えてねー」


『あの時私が家にどうしても帰りたくなくて、この時計の針が次の数字になったら帰るって言いながら結局朝になるまで話して
その後家に帰ったら2人とも超怒られたんだよ』


「んなこともあったか」


『私もさっきまですっかり忘れてたんだけど、今思い出した』





あの時の私たちは目に映るどんな景色も輝いて見えたっけ

今じゃ滅多なことじゃないと心が動くことも無くなったけど




『学はいいな』



「何が?」



『いつまでも少年だよね』



「馬鹿にしてんだろ笑」



『そうじゃなきゃあんな素直な歌詞書けないよ』




"1番綺麗な君を見てた"




(なんてさ)



「あ?なんか言った?」


『空耳じゃない?』




あの時の恋も学への思いも、今となってはもう時効で、過去の思い出として残っているんだろうけど
学の歌を聴くといつも思い出す

・→←ウルトラマリン...橋本学



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めん(プロフ) - みちあさん» ありがとうございます、、めちゃ嬉しいです、、ウウ、、 (2020年6月15日 11時) (レス) id: 43401510ae (このIDを非表示/違反報告)
みちあ(プロフ) - 最新話、、、泣いてしまいました、、、、素晴らしく最高すぎますありがとうございました、、、、うぅ、、GENちゃん、、、、、 (2020年6月15日 2時) (レス) id: b5982a67b2 (このIDを非表示/違反報告)
がー(プロフ) - 最高です・・・!!これからも気が向いたらシンタロウさん書いてください!(ひいきがすごい笑笑)他のも好きです笑笑 (2020年2月2日 1時) (レス) id: 8eb0f6b23c (このIDを非表示/違反報告)
めん(プロフ) - がーさん» ありがとうございます、、!!最近全く書いてなかったので書きますね!! (2020年2月2日 0時) (レス) id: 43401510ae (このIDを非表示/違反報告)
がー(プロフ) - 1を読んで惚れました!!シンタロウさんの小説読みたいです!! (2020年1月8日 1時) (レス) id: 8eb0f6b23c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めん | 作成日時:2018年9月22日 21時

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