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「コンビニ最高すぎ」


「もう私ここに居座ろっかな」


「逆に風邪ひくんじゃね」


真夏日のコンビニは控えめに言って天国だと思う。冷気が染み渡る気がする。結局お高いアイスを買ってしまったので溶けないように早足で帰らなきゃいけない。


『ありがとうございましたー』


「あちい」


「歩く気になれない、しょーたぁーおんぶして」


「暑苦しいからやだ」


「えー照れないで冗談だよ」


「照れてねぇしまじで暑いだろ」


なんて言いながらも、私のレジ袋をひょいっと持ちあげるとそっと手を握ってくれた。めったにそんな事しないからびっくりして俯くと、目に入ったお揃いのサンダル。


「こ、このサンダル良いよねーお揃いとか嫌がりそうなのになんで買ってくれたんだっけ?」


「なんとなく、気分」


「あ〜よくわかんないけどあの時機嫌よかったよね。実は結構嬉しかったんだよな、なんて笑」


「ねぇA、あのさぁ、今度さ、、、」


「な、なに」











「お揃いの指輪買いに行きませんかっ」


左手がぎゅっと握られて思わず足が止まった。思考停止しそうな頭で必死に今の言葉を繰り返す。お揃いの、指輪?ただ単にお揃いのアクセサリーを買おうっていうこと?それともそう言うこと?こんなに急なことある?パニック状態で顔を見上げると、すごい顔して明後日の方向を見ている彼氏がいた。



「ほんとに言ってる?プロポーズ?えプロポーズだよね!?」


「まじで2回は言わせないで…」


「え本当なの!?嬉しい!行こ!もう照れるとか言ってる場合じゃない!なんか泣きそう!ていうかそれ仕事一区切りついたってこと?」



「あぁーうるさいほんとにうるさい」



「もうしょーた可愛い!ありがとう!」



「分かったからくっつくなって。あ!」



「声大きすぎ!なに」



「アイス」



「うわぁぁぁぁぁ」



忘れてた!やばい!と2人で喚きながら外灯の下を急ぐ。数秒前まで繋がれてた左手が熱いことに気がついて口元が緩んだ。お互い赤い顔を早く冷まさなきゃ と思いながら帰り道を走る。今日の夜は長くなりそうだ。

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作者名:みもざ | 作成日時:2023年7月10日 22時

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