大好きです、七五三掛先輩。III (ページ5)

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(夏羽)

慌てて部屋を飛び出して

七五三掛先輩達の姿を探すけど中々見つからない…

あいつ、何考えてんだろ。

外に出ると雨はすっかり止んでいた

辺りを見回していると

ホテルの裏庭から話し声が聞こえてきた

陰に隠れながらその声を辿り、話を聞いてると

樹「すみません、こんな時間に呼び出して」

七「いや、全然大丈夫だけどどうかしたの？」

樹「単刀直入に聞きます」

樹「七五三掛先輩はAの事が好きですか」

七「え、どうして急にそんな事… 」

樹「はぐらかさないでください、俺は真剣です」

なんかやばい雰囲気っぽいけど大丈夫かな、

田中が七五三掛先輩を

問い詰めてるように見えるんだけど...

助けようと足を踏み入れた瞬間

七「好きだよ、Aちゃんの事」

樹「 "恋愛として"ですか？」

七「うん、初めて会った時から変わってないよ」

樹「なんでそれを直接本人に言わないんですか」

七「 ‎…自信なくてさ、」

「分かってはいるんだよ、伝えなきゃって」

「だけど怖くって…ほんと情けないよね」

樹「先輩の気持ち、俺も分かります」

樹「でもその素直な気持ちは
絶対あいつに伝えてあげてください」

樹「あいつはきっと泣いて喜ぶと思いますよ
その理由は俺がよく知ってます
1番近くであいつの事見てきたんで。」

樹「先輩が本気って事が分かったんで
俺はもう部屋に戻りますね
それだけ聞きたかっただけなんで」

七五三掛先輩に何かを伝えて

その場から立ち去った田中。

そういう事だったんだなと1人で納得した

2人とも両思いなのになんか勿体なく感じる

早く付き合えばいいのになぁ、なんて

私が言えることじゃないんだけどね、笑

屋根付きのベンチに座る七五三掛先輩

その姿がどこか切なく感じて

私は思わず話しかけた

.