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私が息を深く吸い込むのと私の手元から小綺麗な硝子の小瓶が落とされるのはほぼ同時だった。
途端、彼の余裕で満ちた顔が焦りに支配される。
それは余りにも滑稽だった。
落とされた小瓶は彼の机へと落下し生徒会室にはガラスの割れる儚く強い音が響き渡る。
『ステキな果実の香りを楽しんで』
一瞬にして脳までぐらつくような重く甘い香りが部屋に立ち込める。人工的な香料でつくられた香水は話を遮るには最高の武器となった。
「う"ｯ、…あ"っ!!」
必死に鼻を抑える彼の姿は余りにも惨めで写真を撮りたいぐらいだった。
目には生理的な涙を浮かべ、眉間に皺を寄せて歯を食いしばる目の前の男からは威厳など微塵も感じられない。
私は机の上の液体に音を立てて掌をつけると後ろへと退こうとする彼を逃すまいと香水のついた掌で彼の首、顔、髪の毛など様々な場所に触れる。
私の手から逃れようと身をよじらせるのが面白かった。
さぁ、匂いが移る前にさっさと帰ろう。
そう思い、鞄を持って生徒会室を出てから爆速で手を洗った。友達には代わりの香水をプレゼントしようか。
生徒会長の惨めな姿を見たことで少女の足取りは軽く弾んでいた。
………………
……
翌朝教室に入ろうとしたところで鬱島に呼び止められた。間延びした声がやけに近くで聞こえると思い振り返る。
ut「Aちゃんおはよー」
『鬱島さん、おはようございます』
案の定引っ付いていたのは無視し本題は、と言うように視線を送るとやっと話始める。
ut「昨日生徒会室行ったらめっちゃ甘ったるい匂いして、グ
ルちゃん問い詰めてもあの女は狂っている!!!としか言わ
へんの。
狂ってんのお前だよって思ったわ、バカほど笑顔やった
し。……で、何したん。」
そう言って薄ら笑みを浮かべながら彼は私に視線を浴びせる。この話の内容で私の名前は一度も出てきていないが。
『ちょっと
ut「あー…そっか。」
そう言うと鬱島は少し考えたあとなんとも歯切れの悪い返事をして自分の教室へと向かった。ええな、とか呟いていたのは心外だった。キモ。
そうして席に着くと後から来たシャオロンからも何か言いたげな視線を向けられている。
見んな。
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いちご飴(プロフ) - 豚肉さん» コメントありがとうこざいます！！主人公の性格、こだわったので気付いていただけて嬉しいです🔥 (3月10日 12時) (
レス) id: 13fdf00f22 (このIDを非表示/違反報告)
豚肉 - タイトル詐欺も主人公の性格も大好きです……！凄く面白いです！応援しています！！ (3月10日 9時) (レス) @page13 id: 144a6ab78e (このIDを非表示/違反報告)
いちご飴(プロフ) - 天さん» これからもお空から見ていて下さい…😊 (3月9日 19時) (レス) id: 13fdf00f22 (このIDを非表示/違反報告)
いちご飴(プロフ) - ねむ??さん» 気付いてくれて嬉しいです✌️ (3月9日 19時) (レス) id: 13fdf00f22 (このIDを非表示/違反報告)
天(プロフ) - あ……最高です……(遺言) (3月9日 19時) (レス) @page7 id: 16271c9107 (このIDを非表示/違反報告)
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