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『寂しいですか』
???「は?」
そう言った彼の声は変わらず低く、起伏なく聞こえた。
『他人との別れ程後ろ髪引かれるものは無いですよね。』
特に私のような美少女とかね。そう言いかけたが街頭に照らされる此方を向いた彼の顔が真剣だったので呑み込んだ。
???「そんなことは無い」
『でも未だに帰りませんよね、なんで?』
黙っちゃった。頭良さそうなのに。
『ハハ、じゃあ、』
そう言って適当に持ち出してきた鞄に入っていた香水を彼にかける。初夏の夜の湿った空気にそぐわないフレッシュな果実の香りが辺りに広がった。
『私の匂い、覚えといて下さいね』
???「は、」
『次会ったら分かるでしょ、サヨーナラ。』
そう言ってとっくのとうに食べ終わっていた生ハムの容器とまだ口を付けていないコンビニのおにぎりを袋に仕舞い、立ち上がった。
まァ多分この香水友達が忘れてったのだから今後私が使うことは無いと思うけど。
初対面の人ってそーゆーとこ楽よな。二度と会わないだろうから嘘ついてもバレない。正しく一期一会ってやつネ。
…………………
………
そう気を抜いていたらコレだ。
「どうした?昨晩のように寂しがり屋な俺を慰めてくれないのか?」
そう言って愉快そうに此方を見る生徒会長に少し腹が立つ。有無を言わさぬ地を這うような声は何処か嬉々としていた。
『…いや、昨日は、少し…間違えました』
「そんなツレないこと言うな。寧ろ俺は君に会って正解だと思ったんだがな?」
『そうですか?勿体ない位の褒め言葉ですね。』
尋問のような会話や質問を笑顔ですり抜けて誤魔化す無意味なやり取りが続く。
今日はもう部室には行けないだろう。何故わざわざ放課後に呼びつけて1対1で話し合わなければならないのか。
だからといって私から折れることなどあってはならない。というか、絶対ない。
ならば相手が折れざるを得なくなる状況を作るしかない。
それも、数ある選択肢の中でとびきり嫌なやつを。
膝の上に乗せてある鞄に手を入れる。目の前の男は少し眉を動かし不審がるがお咎めはナシ。
『……』
私は無言で立ち上がり、彼の元へと歩みを進める。座っている彼の机の目の前まで行き、歩みを止めると期待するように喉仏が動く。
彼の瞳は好奇心に溢れている。
自分が優位に立とうと必死な男に、調教を。
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いちご飴(プロフ) - 豚肉さん» コメントありがとうこざいます！！主人公の性格、こだわったので気付いていただけて嬉しいです🔥 (3月10日 12時) (
レス) id: 13fdf00f22 (このIDを非表示/違反報告)
豚肉 - タイトル詐欺も主人公の性格も大好きです……！凄く面白いです！応援しています！！ (3月10日 9時) (レス) @page13 id: 144a6ab78e (このIDを非表示/違反報告)
いちご飴(プロフ) - 天さん» これからもお空から見ていて下さい…😊 (3月9日 19時) (レス) id: 13fdf00f22 (このIDを非表示/違反報告)
いちご飴(プロフ) - ねむ??さん» 気付いてくれて嬉しいです✌️ (3月9日 19時) (レス) id: 13fdf00f22 (このIDを非表示/違反報告)
天(プロフ) - あ……最高です……(遺言) (3月9日 19時) (レス) @page7 id: 16271c9107 (このIDを非表示/違反報告)
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