Prolog ページ1
視界に映る黒い縁。その外にはピントがぼやけた様なあやふやな景色が広がっている。
私は狭い枠の中で生きていた。
分別され、後ろ指を指され、それでも生きていた。
だが、いつかはスポットライトを浴びることの無いあやふやな景色の中にガラクタとして投げ込まれ、忘れ去られるのだろう。
忘れ去られない為に、必死になって人間は生きる。
爪痕を残そうと抗い、もがく中には自分からキャラを作り、万人に愛されようとする、記憶に残ろうとする、憧れの人間になろうとする等の人もいる。
皮肉なことだね、ありのままの自分を忘れずにいてくれる人を見つける方がよっぽど現実的だ。
かわいそーに。
初歩的なことだよ、卑しい豚共。
少女は手に持っていたコンビニで買った昼食のおにぎりを口に含んだ。
……………………
………
何処からか、視線を感じる。
昼休みの前半に昼食を食べ終えた私はおにぎりを包んでいたゴミを捨てると騒がしい声をBGMに窓の外を眺めていた。
教室の隅にいる私を見る人なんて少ない筈だけど。
絶え間なく続く外れる気配のない視線に疑問を感じながらもそれを紛らわすように文庫本を開いた。
とりあえず、誰かわかんないけど早く目を逸らしてくれますよーに。
本を読んでいると、突然視界がぼやけた。
『え、っ』
驚きから声が漏れる。
最近転入してきた彼は私の隣の席となり、時々絡んでくることはあるものの害となるような目立ったことはしなかったが、慣れ始めて調子に乗ったのだろうか。
目の前の彼の手には私の黒縁眼鏡が握られていた。
???「え、何やこのメガネ、だァっさ、今時黒縁ってどんなセンスしてるん???」
そう言ってけらけらと快活に笑う彼はきっと何時もみたいにからかうようにこちらを見ているのだろう。
着崩した制服に明るい茶髪、耳にはピアスが揺れる。校則違反を幾つも犯した身なりは問題児の名に相応しく、まさに不良だ。
たちまちクラスの目立たない女子に絡む不良の図ができあがり、心配や同情をする目線が私に突き刺さる。
……だが少しの違和感に首を傾げてしまう。どこか彼の動きがぎこちなく感じる。
未だに私のメガネを偏見等も混ぜて小馬鹿にしている彼を見る。うん。やはりぎこちない。
…じゃあ、一か八かで。
少女は利き足を後ろにして勢いをつけ、彼の机を蹴飛ばした
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いちご飴(プロフ) - 豚肉さん» コメントありがとうこざいます！！主人公の性格、こだわったので気付いていただけて嬉しいです🔥 (3月10日 12時) (
レス) id: 13fdf00f22 (このIDを非表示/違反報告)
豚肉 - タイトル詐欺も主人公の性格も大好きです……！凄く面白いです！応援しています！！ (3月10日 9時) (レス) @page13 id: 144a6ab78e (このIDを非表示/違反報告)
いちご飴(プロフ) - 天さん» これからもお空から見ていて下さい…😊 (3月9日 19時) (レス) id: 13fdf00f22 (このIDを非表示/違反報告)
いちご飴(プロフ) - ねむ??さん» 気付いてくれて嬉しいです✌️ (3月9日 19時) (レス) id: 13fdf00f22 (このIDを非表示/違反報告)
天(プロフ) - あ……最高です……(遺言) (3月9日 19時) (レス) @page7 id: 16271c9107 (このIDを非表示/違反報告)
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