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決意 ページ36

■■



『お、万里! 明日ってさ__』

「俺に話しかけんな。クズ」

「何だ、お前らまた喧嘩したのか?」





事件の話を聞いた日から数日。
日に日に帰りが遅くなっている俺を不審な目で見る団員が増えてきた。

そんな中、明日は久々に学校でも行こうかと思った矢先…万里も警戒しているらしい。



『…まあね』

「仲直りしておけよ。演技に支障は出すな」

『分かってるよ』

「お前、最近学校も来ねぇで何やってんだよ」

『何もねえよ。万里には関係ない』




言うが早いか俺の胸倉をつかんだ万里。
関係ないという言葉にカチンときたのか、目の中には怒りの色が浮かんでいる。

左京の止める声さえも無視して、力を込めた拳に腹を殴られた。



『っ__』

「摂津!!」

「隠してること全部話せ。それが嫌ならここから出ていけ」

「勝手なことを言うな。摂津、お前は一体…」




何も言わない俺を一瞥して、万里は手を放した。
左京は2人の顔を交互にいぶかしげに見ている。



『…悪いけど全部は話せない』

「やはり後ろめたいことが__」

『その代り。すぐ出ていくよ…それで許してほしい』




そもそも、こんなに長居するつもりは少しもなかった。
1日2日でも、安全な場所で寝られればそれでよかったんだ。



『…こんなに住まわせてくれるなんて思わなかったよ。本当に、お前らはいいやつなんだな』

「何を改まって」

「そう言えば許されるとでも思ってんのか?」

『いや…悪い。さすがの俺でも、こんなに世話になった奴らに迷惑なんてかけらんねえよ』



黒い鞄を持って重い腰を持ち上げる。
いい機会だ、もうここへ帰ってくることはないだろう。



「おい待て、本当に出ていくつもりか? 寝床の宛でもできたのか?」

『んー…しばらくは野宿かな』

「意味わかんねえよ!! 何を抱えてるんだ? 何でいつも俺たちから離れようとするんだよ?!」



万里もいいやつだから、きっと心配してそう言ってくれてるんだろう。
いつから優しい言葉を掛けられるのが怖くなったのか。

ここにはもう居られない。



『お前らと一緒にいていい存在じゃない。それだけは知っておいてくれ』

「待て! せめて監督さんに相談してから__」



『さよなら。今まで世話になった……ありがとう』






■■

迷い猫→←狂気はすぐ傍に



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あーか(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2020年4月3日 17時) (レス) id: 460cee1a24 (このIDを非表示/違反報告)
哲弥 - あの…もう終わりですか? 俺楽しみにしてるんで、頑張ってください! (2019年6月6日 17時) (レス) id: 9dda0ba0f7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます!精一杯書かせていただきます! (2017年9月6日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - サカナさん» ありがたいお言葉…励みになります!ありがとうございます! (2017年9月6日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 続きとっても楽しみです!頑張ってください! (2017年9月6日 18時) (レス) id: 9dcf28c287 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ノア | 作成日時:2017年6月7日 22時

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